<椎茸作業・・・「腐敗・廃棄処分」・・・>

栗駒山の秋田県側の泥湯温泉の川原毛湯

<椎茸作業・・・「腐敗・廃棄処分」・・・>


 先に「夏茸」についてはアップした。夏茸にかかわらず、茸はその90%以上が水分で、それがために腐敗しやすい。冬ならいざ知らず、夏だとすぐ腐敗する。


 菌床椎茸だと出荷する前に予冷して茸そのものを冷やしておく。それを出荷する。販売先のスーパー等では冷蔵ケースで売られる。だから、一週間くらいは日持ちする。


ところがわが直売だと3日でダウンである。直売所に持っていっても室内は冷房が利いているといっても25度前後。冷蔵ケースなんか相手にしてくれない。いわゆる常温での販売となる。


 現在、3か所の直売所を持っているが、娘と毎日交代で売れる数量を予想して置いてくる。平日と土日では売れる数量が直売所ごとに違う。それに、予想通りには売れない。売れ残ったものは、翌日の販売か引き取らなければならない。引き取ったところで、それは廃棄処分である


 ご存じの通り、生椎茸はプラスチックトレイにラップをかけての包装である。だから、乾かない。水分の蒸発はできないので腐敗する。一日目と二日目は何とかなるのだが、三日目になるとテキメンに黒くなる


だから、二日目の茸は「値引」のシールを張って値下げする。既製品の適当なシールはないので、白地シールに手書きで赤く「値引」と書いてパックに張る。何をどれだけ値引きするかは、その品物を見てからの判断となる。


30円程度でよいもの。50円、いや半額・・・・迷うところである。それを、陳列棚のところで処理しなければならないから、通路に這いつくばっての作業となる。店員は誰も何も言わない。


 直売所は「委託販売」なので売れ残ったものは生産者の責任となる。ところが「買い取り販売」でも生産者に引き取ってくれ、と返品を押し付けるところもある。細かなことを言えば、「独占禁止法違反」である。


しかし、力関係からしてそんなことは主張できない。だから、予想販売数量が的中して、「完売」となったら、「ヤッター!!!」となる。


 こんなに販売で苦労するとは思わなかった。卸売市場に出せばこんな苦労はいらない。安く叩かれるが引き取ってくれる。大量生産の菌床椎茸はそれでもいいかもしれないが、わが原木椎茸はそんなことはしていられない。


意地でも自分で売る覚悟である。そうしないとまた、採算が取れないという現実もある。


 今は3か所の直売所でなんとかさばけているが、この11月からは3ヶ所では足らない。生産数量が今の倍になる予定である。だからもう3ヶ所はほしい。下手すれば市場にも卸さなければならなくなる可能性もある。


「営業」は嫌いなほうではないからやってもいいんだが、それにとられる時間が結構な時間となる。とにかくやるしかない。