<椎茸雑記・・・焼肉屋にて・・・>

「115」の無加温での椎茸です

<椎茸雑記・・・焼肉屋にて・・・>

先日、友人たちとの新年会を焼き肉屋で行った。私は生椎茸の焼いたものを食べさせるつもりで「115」の厚肉を6〜7個持参した。


この焼肉屋は顔なじみなので、持ち込んでも何とも言わない。乾杯が終わって、馬刺しと焼き肉をそれぞれ頼んだ後に、おもむろに我椎茸を取り出した。


ゴミなどが付いているので水洗いしてもよいのだが、そうだと若干風味が落ちてしまう。濡れタオルや布巾で丁寧に拭き取るのが一番良いといわれている。


 皿の上でナイフで縦に切る。身の厚みが3センチくらいある。大きな茸なので4枚か5枚位になる。お客さんは私たち以外に家族連れなど結構いたが、店員の視線は私の手元に向けられている。


 持ち込んだものを「料理してくれ」とは言いづらいので、布巾とナイフを貸してくれとだけ頼んだ。ハウスから収穫したものをそのまま持ってきたのでまずは香りがすごいと言われた。


 私は毎日のことだから、この香りについては“免疫”がついていて何も感じないのだが、友人たちは敏感に感じるらしい。それと身の厚さに目を見張った。特に女性の店員は近付いてきて見ている。


 軽い焦げがつく程度に焼いて、箸で取って友人たちは食べた。「最初は塩も醤油もつけないでそのまま食べて」と私からお願いした。

 この「115」は無加温ハウスでの栽培だから、冬野菜の「寒締め」野菜と同様に食べると口の中で甘みを感じるのである。こんな茸はこの時期のこの「115」くらいしかない。


 じっと見ている店員たちにもおすそ分けした。皆、異口同音に「おいしい」と・・・・。何れにしてもこのような椎茸を食べることはあまりないことだろう。

 この時期無加温で栽培するということ自体、特殊といわれても仕方ない。このような栽培の生椎茸は県内ではほとんど流通していないのである。「115」を栽培している農家は10数名いると聞いているが、ほとんどは「乾し椎茸」になるため、生椎茸としては販売されていない


物好きな私の性格が、採算を度外視して栽培している・・・と自分でも思っている。しかし、いつまでも採算を度外視できるだけの太っ腹でもない。原木椎茸をメジャーにするためには原木でなければできないおいしさを追求するしかないのである