<椎茸作業・・・販売(一)・・・>

「アマノ」のわたし用の販売棚です

<椎茸作業・・・販売(一)・・・>

 生椎茸の生産と販売は同時並行的に進めなければならない。収穫してもそれが売れなかったら意味がないし、売り場所を決めても売るものが無かったら何にもならない。市場流通を避けた販売戦略をとっている私にとっては宿命である。


 正月が過ぎてから、寒波が何回も来ているので、冬菌である「240」という品種は順調に芽が出始めた。おかげ様で椎茸そのものの評判は良い。3ヶ所での販売は順調である。


しかし、「240」についで、「115」が出始める1月中旬からは、3か所での販売では捌ききれない。1日に30パック〜50パック(1パック200g)の収穫が見込まれるのでもう1〜2か所販売場所が必要となる。つまり、新たな販路を求めて営業しなければならない。


 私が目をつけたのは、「アマノ」という地元資本のスーパーセンターである。地元住民ならよくわかるのだが、売り場面積は全国区の「ジャスコ」と同等かそれより上という規模のスーパーだから、大手といってよい。


地産地消がブームであり、かつ個性的な品ぞろえを志向している現在のスーパーにとっては、原木椎茸はほしい商材なはずである。 

私の戦略には間違いなかった。アマノへの売り込みは成功した。アポもなくアマノ本部に青果担当のバイヤーに営業した。こういうところは通常アポが無いと会えないのが普通である。


私は運が良かったのか、5分くらい待って担当バイヤーと会うことができた。商談会場で早速名刺を交換し、 「私は原木椎茸を栽培しています。この椎茸を取り扱ってもらえないでしょうか・・・」と切り出した。


 「しばらく、考えて、『いいでしょう。産直扱いでどうでしょうか』」と即答であった「この茸はいい椎茸ですねどれくらい作っていますか」「今までも扱ってきましたが継続できなかったので継続してもらえるでしょうか」などなど話が弾んだ。


私が農協職員であったこと。原木椎茸についての業界の話題と品種の問題。私の原木椎茸へのこだわりとポリシーなどなど。私が話しすぎたきらいもあるが、彼はじっと聞いてくれた。


 地元産というのが決定的なもので、それを欠品せずに継続する、できるということがメリットらしい。スーパーは欠品を一番嫌がるのである。


私も「産直扱い」とすることで、完全な委託販売となるので価格を自分で決めることができる。売れ残りの腐敗などのリスクは背負うのだがそれは、既存の3ヶ所の販売所でも同じことである。


 担当のバイヤーはまだ30代でというところか。まだ若い。椎茸についてはそんなに詳しいという感じはしなかったが、情熱はあると感じた。

そして最後に「アマノで売らせてもらいます。私のところを選んでくれてありがとうございました」と感謝の言葉をくれた。感謝しなければならないのはこっちである。


 この「アマノ」では日量にして相当売れると思うのだが、売ってみなければわからない。お客様がつくまでは苦戦すると思うが、品質的には評価されているので希望は持てる。問題はここに欠品しないように続けることである。
 

そして販売ははじまった。売れ行きは順調である。おかげで専用の販売棚を作成してもらった(写真)。うれしい限りである。