<椎茸作業・・・原木椎茸と放射能(2)・・・>

 <椎茸作業・・・原木椎茸と放射能(2)・・・>


こう書くと私には何の「被害」もなかったかのようだが実はあったのである。以下はその顛末である。


近くに、イオンのスーパーセンターがある。そこには当然「直売所コーナー」があり、そこに私も入店しようとした。イオンも参加農家を募集していた。担当者に電話していろいろ話をしたら、セシウム検査の証明書が必要だとのことである。

このご時世だからそうだろうなと思ったが、その検査の手数料について聞いたら自己負担だとのこと・・・。ちょっと待った、となった。1万数千円もかかるとのこと。こちらからのお願いだから、業者としてはそう出てくるのも理解できないわけではない。


 ところが、私は同じ系列のスーパーの直売所にも出品していたのだが、そのスーパーの担当者からも、イオンのしばらく後に「セシウム検査」の話が出てきた。実は、秋田県林業関係の部署でホダ木のセシウム検査は行っていた。私も2本のホダ木を提供したのだが、私の他のホダ木も含めて県内ではセシウムは検出されなかったのである。


それはマスコミにも報道され、それが証明になると私は思っていたのだが、スーパーの担当者はそうではなかった。実際の茸で検査しないとだめだとのことであった。それはそうである。空気中にセシウムがあれば、ホダ木からは検出されなくても茸からは検出される可能性がある。そういう意味では県の検査は「甘い」といえるのだが、問題はその検査手数料なのである。


私のいい分としては「県が安全宣言をしたのだからそれでいいじゃないか・・・」スーパー側は「県の安全宣言では消費者の安全は担保できない・・・」。私は突っ張るつもりであったが、小生産者という私の立場は弱いものだから、「わかりました。椎茸は提供しましょう。その代わり、検査手数料はそっちで負担してください」と妥協案(?)を出した。


その担当者は「上司に聞いてみる」とのことだったが、後日電話が来て「それでいいでしょう」となり、私は生の椎茸を2キロ提供した。キロ1500円であるから、3000円の持ち出しとなる。出荷をストップされたらたまらないのでやむを得ないとおもった。


 検査結果は数日後に連絡が来て「セシウムは検出されたが通常の値である」とのこと。お墨付きを得たわけであるが、同じ系列なので、その証明がイオンにも通用するのかと思ったら、「検討してみます」とのこと。役所よりも役所的・・・と感じた。それ以降は馬鹿らしいから連絡もとっていいない。
そのあとで他のスーパーや直売所からも証明書の提示が求められたが、県の安全宣言を盾にそれで了承してもらった。


 これが、私の放射能「被害」である

写真は私の庭のクマガイソウです。