<農協問題・・・役員改選に思う・

「イヌフグリ」が庭先に咲き始めました

<農協問題・・・役員改選に思う・・・> 


農協を退職して早二年。農協に対する「興味」も薄れつつある。私の原木椎茸経営は、ほぼ農協に関係ない。椎茸関係の資材はないし、販売も自己完結でやっているから関係ない。稲作については、全面的に利用しているが・・・・


 そんな農協では、今年は役員改選。いわゆる理事と監事の改選である。当農協は農協の役員選挙は通常の立候補制ではなく、業界独特の「選任制」制度を取っている。

 県内ではこの方式が普通だとのこと。要するに、総代から推薦された候補者が総代の有志で構成する「選考委員会」にかけられ、その地区の候補者となる仕組みである。

 この仕組みは、選考過程が丸っきりのブラックボックスとなり、複数で候補者を争うという形にはなりにくい。現役の役員が「勇退」でもしない限り、「新人」は難しいという仕組みなのである。それに、農協役員は公職選挙法の対象とはならない。


 これは、先日のいつも行くサウナ室での会話である。


 「俺の親父が理事に立候補して選挙になった。公選法は関係ないので実弾を撃った。売ったけど、その確率はまず半分だった。それでも半分も当ったからいい方だ」


 「おれが、支持した候補は実弾を撃てなかったから、僅差で負けた。再三撃てと言ったのだが、実弾が無かったのである。農協の役員選挙ってそんなもんだ。」 


「おれも聞いた話だが、中央会の会長選挙のとき、組合長たちが実弾が配られたそうだ。十数年前の話だが、一票20万円だときいた。いいボーナスだといっていた。」 


「実は、今日、役員選挙の件で集まりがある。理事の再選を願う本人から連絡があり、一杯飲ませるとのこと・・・・」 


「お前、いつも口を開けば農協の悪口ばかりじゃないか。その悪口をその理事にぶっち負けたらいいじゃないか・・・」


 ちなみに当農協の平理事報酬は、月8万円。そのほかに出務日当が1日8000円。年額すれば、100万円はある。組合長だと月80万円と聞いている。年収は、兼務の役職も考えれば、年収は1000万円は下らない。


 職員で組合長が、その報酬分の仕事をしていると思っている人はほとんどいない。役員でも、月一回程度理事会に出るだけで、8万円である。おいしいというしかない。


役員報酬は、県内で最高レベルだが、職員の給与は労働分配率でいえば最低レベルである。経営状態が悪いわけではない。ボーナスも年間で2カ月程度。20年前は、年間6か月のボーナスは珍しくはなかった。そのため、中堅職員がどんどん辞めている。


 このことを真剣に農協の危機と考えている役員は少ない。役員報酬に目が眩んでいるとしか思えない。