<今、職場では・・・総代選出・・・・>

自宅前のエゾ松に垂れたツララです

<今、職場では・・・総代選出・・・・>



 今年は農協の組合長などの役員改選の年。つまり、その役員を選出する総代も改選される。役員の任期は3年で、6月の通常総代会までであるから、それから逆算して、総代の選出が始まる。


 総代の選出は形としては、立候補制であるが立候補する農家組合員はほぼいない、というのが実情である。総代は、その農協の定款で定められていて、000人に一人(我農協の場合は忘れた)の割合で選出される。


 それでは、どのようにして総代が選出されるか・・・。最初に、総務の方から6月の役員改選までの日程が示され、前述したようにそれから逆算して、総代の選出日程が示される。


それを受けてトップから声がかかる。どのような声がかかるかというと、これは想像に過ぎないが「総代の若返りを図れ」とか「女性を多くしろ・・・」などという類らしい
 

それで一番苦労するのが支店長をはじめとする支店幹部。要するに立候補する人がいないから、逆に立候補者を探してしてお願いしなければならない。引き続き「留任」してくれる人は電話だけで可能な場合もあるらしいが、それでも立候補届けとか、「御礼」とかで夜に「立候補者」まで出向くのが普通だとか・・・。つまり、駆けずり回らなければならない、ということである。

 
 支店長の訪問を受けたAさん。「夜の7時頃、支店長がひょっこりやってきた。また、共済の推進かなと思って、うんざりした。入るなり、ハンコもってこいという。あっと思って、共済ならだめだぞ、と先手を打ったが妙に神妙で、引き続き総代をお願いできないか、と頭を下げてきた


 そういうことかと思い上がって貰った。酒は勧めなかったが、何十人もこうして回らなければならないのだという。大変だと思った。」



 一支店で100名前後の総代立候補者を当たらなければならない。それを平職員に任せてはおけない。支店長どうし連絡を取り合って、今日は何人決めた、もう何人だ、グチのこばしあいもあるとのこと。100名という数字は簡単な数字ではない。 


 「辞める」とか「変わってくれ」とかとなると、その代替を探すことになる。新任をお願いして、二つ返事でOKをくれる人なんていない


 それに今回は「女性総代を増やせ」と「天の声」があったらしくて、女性の正組合員を探さなくてはならない。女性の正組合員はほとんどいないうえ、総代の立候補の承認をとるなんて極めて難しい。


 今回は、我集落から、女性総代が選出された。私もびっくりしたが、彼女を口説いた支店長の努力も並大抵のことではなかったと思う。

 支店選出の総代総数は定められているらしいが、集落ごとに選出は決められていない。その大きさに準じて支店長が判断することになる。その総代の選出は、後の役員の選出にも大きな影響を与える。


 役員選挙は「選任制」という、合併前の農協単位で候補者を推薦するというシステムであるが、実質的にはその地区の総代から選ばれた「選考委員会」の承認によって決めることとなる。役員を続けたいい人は、当然「自分の支持者」を総代に、そして、選考委員会に入れておかなければならないことになる。



 いずれ、今年は役員改選。一番の関心事は、だれが、組合長になるかであるが、それに一番関心を持っているのが、農家組合員よりも職員の方である。トップダウンの経営方式に現場の職員が疲弊しているからである。