<農業問題・・・・「ふるい下米」って知っていますか・・・>

この夏の入道雲です

<農業問題・・・・「ふるい下米」って知っていますか・・・>

 生産者にとっても消費者にとっても「ふるい下米」って聞きなれない言葉です。


生産者は通常は「くず米」と言っています。「くず米」と言っては全く用立たず見たいなので、要するにふるいから落ちるという意味で「ふるい下米」と言っているようです。しかし、この「ふるい下米」(くず米)は非常に大きな問題となっているのです。


 消費者は精米を購入する時、米袋に「複数原料米」と「単一原料米」とが表示されているのに気が付いているでしょう。しかし、それぞれがどのような米が入っているかは恐らくわからないと思います。


 生産者が玄米で米を集荷する時は、産地、産年、等級が表示されます。しかし、消費者の手元に行くときはそれが消えてしまいます。


このことについてどう思いますか。これにはいろいろなトリックがあるのです。「複数原料米」と「単一原料米」がそれです。


 「単一原料米」はいわゆる検査米と言っていいでしょう。産地、産年、国産と表示になっていますが、「複数原料米」は非検査米で様々な米が混合されていてもかまいません。


「ふるい下米」(くず米)が入っていてもかまわないのです。ですから、「複数原料米」は低価格です。しかし、くず米が入っているという表示はありません。


 近年、産地間の良質米競争で、ふるい網が大きくなっています。いわゆる米の選別機の網が1.9ミリが普通になっています。網目が大きくなるということはそれだけくず米が多くなり、収量が減るということにつながります。


くず米も質が良くなるということです。良質のくず米は現在「中米」と言われています。そして、「中米市場」というのができているそうです。その中米は業界では7等級に分けられ、上位等級は主食米にブレンドされ低価格米となっているそうです。


下位等級は、醸造用、味噌用、米菓用他に使用されます。つまり、生産者が主食米として出荷した米のほかにもくず米から、いろいろと選別されて、主食米にブレンドされる米があるということです。


それが、おおよそ30万トン〜40万トンからといわれています。つまり、生産数量の5〜6%が主食米に転用されているのですから、米が余るはずです。


 これは、「ふるい下米」(くず米)の表示が義務付けられていないからなのです。政府もこのくず米がどのように流通されて消費されているか把握していません。

それによって、流通業者が儲けていると言っても過言ではなりません。私たちはくず米を主食米の世界から隔離することも含め、きちっと表示することを求めています。


消費者が購入する米袋に「くず米」とは表示できないでしょう。そうすれば、主食米の世界から「くず米」が隔離され、米余りがわずかでも解消され、その分、減反も緩和されることも不可能ではありません。


 現在の表示のルールでは「複数原料米」にはくず米が混入されているため、低価格になっているということを銘記しておいてください。span>