<今、農協では・・・・ある有能な職員の退職・・・>

紅梅です

<今、農協では・・・・ある有能な職員の退職・・・>


 先に、北羽新報という地元のローカル紙に投稿した「JAの不祥事を考える」という意見が掲載されて、各方面から反応があった。ほとんどが、「あんたの言うとおりだ」とか「よく書いてくれた」というものであった


特に「職員が疲弊しきっている」ということに関しては、農家組合員も実感しているようで職員が可愛そうだ、という声もあった。

 
 そんな最中に、それを象徴するような「事件」が起こった。「事件」というには大げさかもしれないが、秋田やまもと農協で最も注目され、「優秀」といわれていた女性職員が退職したのである。


彼女のことについては、私の07年7月11日付けのブログにアップしてあるのでそれを読んでもらえばわかるのだが、前々から噂にはなっていたが、私のとってはびっくりしたとしか言いようがない。


 彼女は「ジャンビニ」という農協業界では全国初めての「業態」を作り、それが全国に波及して大きな話題にもなった。昨年はそれが沖縄にもできて農業新聞にも大きく取り上げられた。東北農業経済学会の「実践賞」というものも受賞したと聞いている。いわゆる農協という業界では「スーパースター」といっても過言ではない。そんな彼女が何故・・・・誰もが疑問に思うことだろう。



 話によると彼女自身、いわゆる「コンプライアンス違反」したらしい。経費の「私的流用」といわれているが、そんな対したものでもない。また、そうせざるを得ない客観的条件が存在したと認識している。


賞罰委員会にかけられせいぜい減給程度の処分で済む事案であるが、彼女は退職を決意したということらしい。


 彼女が、ジャンビニを立ち上げるときは、まさに孤軍奮闘であった。朝の6時から夜の10時過ぎまで休みらしい休みはなかった。いつ「過労死」してもおかしくはなかった。相当なプレッシャーをうけ、「円形脱毛症」にもなり「ウツ」寸前だったと聞いている。


農協という業界はどこでもそうであるが、ひとつのビジネスモデルをそれを農協全体に広げて、その成功をひとつのコンセプトにするというシステムがない。


要するに組織として彼女の成功をバックアップし、その成果や教訓を全体のものとできないのである。「優秀な個人の実績」として終わらせてしまってる。それはとりもなおさず、「経営者の能力」なのであるが・・・・


これはあくまでも私見なのであるが、いくら頑張っても個人の仕事は増えていくばっかりであって、仕事にも嫌気が差してきた、そんなところに彼女としては不本意な「処分」があり、それで切れてしまった・・・ということなんじゃないかと・・・。子供の教育も終わったから、と思う。


いわゆる疲れきってしまった、ということなんじゃないだろうか。はっきり言えばそんな職員は回りにわんさといる。いつ誰が辞めてもおかしくはない。しかし、彼らの悩みを聞いたりサポートする体制がない。ないというよりは、いやだったら辞めていけ、という「メッセージ」がありとあらゆるところに見受けられる。


このように「人材」を大切にしないという農協はわが農協だけではないが、それによって組合員との信頼関係が崩れるという農協の「特殊性」を理解できない経営者の責任だということである。


彼女の退職については、実際彼女とあって話を聞いてみる価値はあると思う。そのときまた報告するとして、3月末で2人(私も含めて)、4月末に1人、私以外は不本意な中途退職をした。5月末には誰が辞めるのかという職場の声も聞こえてくる。