<農業問題・・・集落営農(二)・・・>

雪に映えるセンリョウの実です

<農業問題・・・集落営農(二)・・・>

 ;">夜の7時、集落の公民館に4名が集まった。室温はマイナス3度。ストーブのスイッチを入れながら部屋が暖まるのを待つ。


 早速、話を始める。私から口火を切った。今年の戸別所得補償制度のことを一通り説明した。事前に農協の担当者にこの制度についてリサーチしたのだが、担当者自体情報不足というか、勉強不足なのである。


彼らは、水田活用交付金と所得補償の重複支払いはないと間違った解釈をしていた農水省のHPを見れば、重複して支払うというニュアンスで記載されている。私も確信が持てなかったので、県の農政事務所の担当者に直接電話して重複することを確認した。


農協には情報が入らないらしい。また、農協そのものが情報を得ようとする姿勢が弱い。その情報が無くて、または遅くて一番困るのは農家だという子とをわかっていないのだ。そのモチベーションが持てない状況は理解できるが・・・。


それはそれとして、農協の情報のみ頼っていては、我々の事業に差し障る
 転作の作業(経営)受託は町内でも数人がやっている。私が昔(15年程度になるか)制度設計したシステムを土台として今も続けてる農家がいる。


しかしながら、彼らは個人経営者であって、集落という共同体の中での位置づけではない。集落の中でのそれとなればさまざまな人間関係も出てくるので、その面でプラスもあればマイナスもある。


個人経営となるとどうしても「儲け」が先に来てしまう傾向がある。それでは、地域の活性化ということにはならない。


 われわれの転作作業(経営)の受託は、集落を単位とした地域活性化を目標としている。だから、将来は転作作業だけにはとどまらす、今はやりのグリーンツーリズムにもかかわっていきたいと思っている。それとともに「産直」等も当然視野に入っている。
 

 そのような理念を一通り説明した。これに関しては納得してくれたようである。しかし、問題は、労力と採算性である。労力の面で言うならば、明らかに「規模拡大」ということになる。


田畑を借りてそこに大豆などの畑作をやるのだから、そのための労力をひねり出さなければならない
。私が4人でやろうと声をかけたのはその労力をクリアしたいからである。


実際どれだけの面積が集まるかもわからない段階で議論しても始まらないことであるが、大豆など5〜10haを想定してのことである。 

次に採算性である。大豆の所得補償の成績払いが60キロ当たり、約11000円で2俵獲れば、面積払いの20000円は上回る。

それに水田活用の交付金が10a当り35000円で他の農家の例を見ても採算性は十分あると私は考えるのだが、他の三人はなかなかそう簡単にはいかない。機械の購入や技術的な問題、不安だらけである。


 喧々諤々議論した。酒も飲まないで2時間もである。結論的には、転作作業(経営)の受託面積がどれくらいになるかわからないで議論してもしょうがないだろうということになった。

つまり、一歩前に進んで、受託面積の募集の説明会を集落の対象者に対して行おうということになった。私はそんなには不安はないのだが、他の3人の不安はまだまだ消えていない。それでも、一歩前に進んだ。(続く)