<椎茸作業・・・厳寒期の「どんこ」・・・>

雪の中でも茸は生長しています

<椎茸作業・・・厳寒期の「どんこ」・・・>



 このところ寒い毎日が続く。最低気温がマイナス3〜4度と椎茸は凍ってしまいそうな気温である。ホダ木が凍らないためにハウスの中で栽培しているのだが、ハウスに内張りもして零度以下にはないようにしている。そんな中でもこの「115号」という種類は成長している。


 こんな中で一番に気をつけなければならないのは「過乾燥」である。椎茸菌はカビの仲間なので湿った環境を好む。過乾燥では目が出ても成長はしない。しかし、水分が多いとこの寒さで凍ってしまう。この調節である。ハウス内の気温も10〜15度が一番成長が早いといわれている。


 先日、東京からお客様が10数名来て原木椎茸を見学していった。これは、町の「ふるさと体験ツアー」という事業であった。こういう事業には積極的に協力している。いづれはこの見学者が購入者になってくれる可能性が高いし、私の原木椎茸のうまさを味わって欲しいからである。


 この厳寒期に発生する椎茸は「どんこ」といわれて、最高級の椎茸と言われる。椎茸が発芽してから7cmくらいの「ジャンボ」に生長するまで30日くらいかかる。寒いから成長は遅々としている。逆にそれだから実が締まって歯ごたえのある硬い茸ができる。


 その「どんこ」をハウス内で炭火焼きにして、「ふるさと体験ツアー」の参加者に食味してもらった。「うま〜い」「こんなの初めて食べた・・・」ほとんどの人が叫んだ。うれしかった。


 採れたての「どんこ」を薄切りにして炭火で焼いただけである。塩も醤油も何の味もつけていない。食べれば歯ごたえがあり、椎茸の香りが蔓延し、噛んでいると甘みが出てくる。恐らく、こんな食べ方は都会ではできないだろう。


 実は、私も食べてこのような味は初めてである。厳寒期に無加温で30日かけて生長させた原木椎茸である。「これこそ、求めていた味である・・・・」と参加者には大ぼらを吹いた。しかし、本音はほらではない。私のこだわりである。


 この茸は2月いっぱいで終了する。3月の中旬からはこの「115」の自然子が発生する。この茸もまた「旬」でうまい。