<ブログ雑記・・・退職(四)・・・>

男鹿の海岸の貝殻です

<ブログ雑記・・・退職(四)・・・>

原木椎茸は、コナラやミズナラの15年〜20年木に椎茸菌を植え付け、椎茸を発生させるものである。椎茸菌の植菌は毎年2月〜3月に行われる。桜が咲くころまで植菌すればいいとなっている。


しかし、植菌してからほぼ1年は収穫できない。現在は「形成菌」といいって促成的な椎茸菌も開発されているが、どういうものかは私にも、親父にもわからない。


3月に原木を購入して、植菌して収穫、収入があるのは翌年の4月である。本格的に収穫が始まるのは6月、7月なのである。その間何の収入も無い。


計画では年間、1万本の植菌を予定した。それでおおよそ350万円かかる。本格的な収入があるまでの翌年の6月まではもう1万本植菌しなければならない。つまり、700万円の支出を予定しなければならないのである。


この際明らかにするが、私の退職金は1000万円ちょっとの予定である。30年間勤めてこの金額・・・・合併の際、退職給与規定が改悪されてポイント制になった。


合併前の計算で行くともう3〜400万円多くもらえるはずなのだが・・・それは不当だから、裁判に訴えてまで頑張れという人もいたが、やれるような体制ではないと判断した。裁判にかける労力は並大抵のものではない。5年前の裁判でそれを痛感した。


つまり、退職金1000万円のうち700万円は原木椎茸への投資である。残りの300万円と失業保険が生活費となる。失業保険も「経営者都合」ではなく「自己都合」なので150日しかもらえないと聞いた。


田んぼはすべて減反である。その補償金がいくらかはもらえるとは思うが、これはきつい。3年前まで親父がやっていたのでその設備を使えるので700万円で済むのであるが、古くなった設備もあるので、それで済むはずは無いと思っている。


はっきり言って、キツイの一言である。恐らく、借金しなければならなくなる可能性が大である


しかし、一旦軌道に乗れば、原木椎茸での所得率はほぼ50%である。これは親父の過去10年の申告書が証明している。


そして、一本の原木が廃木になるまで約1000円の収入を見込むことができる。そして、原木椎茸の市況はすこぶるよい。菌床椎茸との競合はあるが、それより15%程度高値で販売されている。


干椎茸は原木のダシには及ばないともいわれている。市場に出回る生椎茸の80%は菌床椎茸といわれているので、原木椎茸は希少価値があるのか・・・この市況がこのまま続くという保障は無いのだが、品質的には原木の方が勝っているといいたい・・・・


それを武器にしての販売戦略を練らなければならないと思っている。市況を相手の販売戦略をつくるつもりは無い。