秋田やまもと農協役員選考顛末記(六)


そして、18日の夜突如、I氏から電話があった。

「選考のやり直しとなった。明日、その会議がまたある」

「ふざけている。八竜地区三名選考したのだが、本部からクレームがついて再度選考することになった。我々が選考した行為は何なのか・・・」

「本部は何の根拠もなくあなたを拒絶している・・・」等々、電話口で怒りが発せられた。


「じゃ、どういう経過でそうなったのか、私にも知る権利がある。八竜の委員長のAに電話で聞いてみる。」と返事した。
折り返しA氏に電話した。18日の20時頃だったと思う。しかし、電話にはでなかった。それで、副委員長のH氏に電話した。H氏は電話に出て一時間近く話をした。


「会議では八竜の選考はおかしいと再三言われた」

「それは、選考そのものがおかしいというんじゃなくて、私が選ばれたからおかしいと言っているんじゃないですか?」

「実はその通りだ。どうして、役員にふさわしくないものが選ばれているんだ、ということだった」

「そんなのおかしいんじゃないですか。八竜でいったん決めたものを本部がひっくり返すことが可能なんですか。何のための八竜の選考委員会なんですか」

私はまくしたてたが、H氏は何ら反論しなかった。
H氏は私に同情的で、自分たちの力の無さを嘆いていた。「おかしいんだが、本部のみんなにそう言われると、私も委員長も反論できない。あなたの言うことは正論だし、上の方が間違っている。」「私たちをいくらでも批判してよい。甘んじて受ける」


その℡のことはI氏にもすぐに報告した。I氏も心当たりある選考委員に連絡して明日の会議で追及したいとのことであった。


その電話が終わってからまたすぐに思わぬ人から電話があって、彼もこの選考には頭に来たらしく「こんなおかしい選考は許せない。第一、役員選考規定の6条だか8条に『本部は地区の選考委員会の選考を尊重しなければならない』とある。これは明らかに規定違反だ」「しかし、私は事情があって、このことは追及できない。他の人から何とか追及してもらってくれ・・・」と。彼もそして、委員長のA氏も農協には弱みがあって逆らえる状態ではない、と言っていた。だから私に「影ながら応援するので頑張ってくれ」とのことだった。

私も人を介して調べてみたら、「法的な欠格事項や定款に違反するようなことがなければ、役員になる権利を妨げてはならない」とある。これは明らかにコンプライアンスス違反である。

しかし、その時点で私は楽観視していた。こっちが正論なんだから、あれくらいのメンが、こんな簡単にひっくり返すことを承諾するはずはない、と。選考委員のメンバーは聞いていた。蒼々たる面々である。
写真はホダ木への散水風景です。