秋田やまもと農協役員選考顛末記(五)


最初は農業の経営、稲作とか、椎茸の状況、どうして理事を受諾したのか、今の農協をどう思っているのかなどもろもろ聞いてきた。彼ら二人とて、今の農協をいいと思っているわけではなく、農協に対する不満は私以上に持っていた。だから、話は噛みあった。特に職員に活気がないこと、通常の業務より共済やお茶などの推進が優先になっていること。そして、組合員の農協ではなく経営優先の農協になっていることなどなど私の話にいちいちうなずく。私の原木椎茸が農協に出荷していないことも、当然理解してもらい、逆に私の経験をJAの経営に生かしたらどうだという提案ももらった。私のやり方は新しいスタイルだからである。


そして、彼らは数項目程度メモをとり私に確認を求めた。農協運動の先頭に立ち率先垂範すること。JAの販売体制を改革していくこと。組合員と職員の交流を活発にしていくこと、など彼らも納得し、これでいいだろう、と話をしていた。今にして思えばこれで本部を説得できるだろう、と思ったに違いない。私はこれで一安心した。


ところがそうではなかった。確か本部の選考委員会は16日だと思ったが、その席では二人の「確認」は相手にされなかったらしい。これも後で聞いた話だが、私の職員時代の労組活動や裁判闘争を取り上げ、「畠山が理事になれば職員にとっては良いかもしれないが、農協にとっては最悪だ」とか、「八竜の選考委員会はなっていない」とか・・・・・特に八峰地区の委員からそのことが強調されたと聞いている。

つまり、二人の「確認」はただの「アリバイ」的な形式的なものだったのである。彼らもその背後にある恣意的な意図は恐らく感じていなかった模様である。感じていたとしたら、「確認」で私の意見にあのようにうなずくはずがない。

写真は今年の森吉山の樹氷です。最高でした。