<稲作作業・・・草取り作業・・・>

<稲作作業・・・草取り作業・・・>

 稲作作業で一番きつい作業といわれているのが、草取り作業である。田んぼの中の雑草を一本一本手で抜く作業である。ぬかるみに足を入れて、腰をかがめて・・・昔ながらの重労働といわれる。


 その作業を10日間頑張った。10日間といっても午前中は椎茸作業があるのでできない。午後からも一番で収穫作業があるから、実質2時頃から、5時半ころまでの作業である。確かに楽な作業ではない。


しかし、腰が丈夫にできているからそんなには苦労はしていない。昨年は、転作からの復田で、雑草がすごく人手を頼んで草取り作業をした。おかげで相当の出費となった。


 今年は、代搔を丁寧にし、それでも草は出てきたので、一人で頑張ることにした。日中は30度を超える日も少なくなかったが、田んぼの風はわりあいとひんやりしていて、汗カキの私にしてはそんなに汗は出なかった。


ハウスの中の椎茸作業のほうがよっぽど汗が出る。昔は隣近所総出で草取りをしたもんだが、今はほとんどいない。田んぼを眺めても田に入っている人はほとんどいない。代搔を丁寧にして、除草剤をうまくまいたら、本来は草取りの手作業は必要ない。


除草剤を使わない有機農業や自然栽培の農家ならいざ知らず、慣行栽培(肥料や農薬を通常に使用しての栽培)農家ではほとんどいない。そのほとんどいない中で私が、炎天下頑張っているのだから、村内で話題にならないわけがない。爺さんや婆さんにも「あんたの旦那さん頑張るね!?」と励ましなのか冷やかしなのかわからないような声かけがあったとか・・・。


 私にとってはそんなことはどうでもよい。プロの農家として、とらなければならないから採っているまでで、除草剤で消えるならそれでこしたことはない。特に「クログワイ」という雑草は温暖化の影響かすごく増えて、除草剤では退治できないまでになってきている。


これは、私の田んぼだけではなく、近辺の田んぼみんなそんな状況にある。一時は除草剤で対応できないわけではないが、根本的な対策にはならない。このクログワイは多年草の草で、球根みたいな球が根っこについている。この球を取らなければ来年また生えてくる。


しかし、手で抜いてもその球はほとんど取れてこない。除草剤は薬が掛かったところを「焼く」という効果でしかないから、その年だけの対応となる。手で抜けば、根からの大部分は取れるから、その球の「劣化」に繋がる。大変でも手で採った方がよいと私は判断した。


 しかし、水田靴はヌカルし、泥が顔につく。かがんで稲の穂先が顔に当たるとかゆくなる。泥のついたゴム手で掻くとまともに泥がつく。泥がつくからといって掻かないではいられない。腰にくくった籠は草自体はそんなに重たくはないが、泥がついているからその重みがたまらない。出っ腹に喰い込んで苦しい。


いくら田んぼの風がさわやかだったといっても汗が出ないわけではない。その汗が眼鏡に落ちで曇る。その曇りを取るために逆に眼鏡に泥がつく。泥んこ美容が流行っていると聞くが、これが美容に利くならば、我先輩女史はなんときれいなことだろうと思うのだが・・・


 いづれにしても、大変な作業である。一時(今もそうなのかはわからないが)「田植えギャル」が話題になった。確かに「顔クロ」系は同じだが、汗をかいた顔に泥をつけてやってみるがいい。一日だけなら何ともないだろうが、毎日続ければ「田植えギャル」なんてかっこつけてはいられない。それでもカッコつけられるなら大したもんである。

写真は4月に咲いた我が家の桜です