<椎茸作業・・・ハウス建設(二)・・・>

完成したハウス。あとはビニールをかけ

<椎茸作業・・・ハウス建設(二)・・・>


最初の作業が、曲がりパイプを一本一本砂に埋めていかなければならない。ピッチが45センチで36メートルだから、片側81本、両側で162本の曲がり埋め込むのである。


 当然、発電機をもって、ドリルで土の穴をあけてから差し込むのであるが、ドリルの刃が短く40センチ程度しか埋め込まれない。もう10数センチ必要なので、それは力と体重をかけて受けこむしかない。


 一人作業なので砂地ではあるがこれが重労働なのである。ペットボトルで水分を補給しないと、体が持たないのである。それに、この埋め込みを測量通りにしないと、屋根が曲がったり、ゆがんだりして後の作業が大変になる。そのことは前年のハウス建設でわかっていた。


 プロは測量器を使い図りながら作業する。私には測量器なんかない。頼りは水準器である。縦の水準器と横の水準器を一本一本ごとのあてながらのまさに手作業。それとてうまくはいかない。あとは勘である。


 だから、人眼には見せられない曲がり具合である。曲がったからといって、強度に問題があるわけではない。ただ、前面のツラの部分がねじれるとドアの設置がうまくいかなくなるのでそれだけは気をつけた。


 一番難しいというか面倒な作業が、曲がりパイプの天井をつなぐ直管の設置である。人り作業であるから、これは大変なのである。4メートルの直管を7本つないで天井に上げる。


 最初、はじっこをつないで、10本〜15本ごとに仮止めして・・・・となる。脚立に登るのだが、降りれば天井も直管も曲がってしまう。このことは文章では表現しきれない。実際にやってみなければわからない作業である。


 二人なら、一人が持ち上げて一人が止めていく、ということになるのだが、何せ一人である・・・・。しかし、やらなければならない。工夫に工夫を重ねてとなる。恐らく、この作業は普通の人ではできないと思う


 そのような作業が半日づつ続く。当地区は昔の名残で17時に防災無線がなる。しかし、夏だから外はまだ明るい。18時ころまでその作業は続く。夕方になるにつれて藪蚊が目立ってくる。

 耳元でブ〜〜ンとなるあの音。切り上げればよいのだが、仕事の区切りというものがある。ついつい延びてしまう。複数で作業すると「一服」の時間を設けるのだが、一人作業であるから、「一服」自体面倒くさくなってしまう。


 このようにして、ハウスは完成した。お盆過ぎからかかって終わったのが11月はじめ、その間稲刈りもあり、大変だったことには間違いない。
一人でよくやったと思う。自分を褒めてやりたい気持である