<椎茸作業・・・夏茸大発生・・・>

大発生した夏キノコ

<椎茸作業・・・夏茸大発生・・・>
 今年の夏は暑かった。酷暑だった。その影響は椎茸だけではなく農畜産物全般にわたった。その根拠が明確でないとなかなか認めない気象学者さえ「異常気象」と認めた。

おかげで8月の売り上げは7月の半分となった。経営的には痛い。しかし、この異常気象のおかげで椎茸菌の性質が結構勉強になった。

 発生棚の上と下では椎茸の質が全然違うものとなった。湿度と温度の問題である。30度を超すと生長がピタリと止まる。一旦止まるとそれ以上は伸びない。


そして、キノコは白くなる。発生棚の下部は2~3度温度が低く湿度もある。通常に生育する。これは発生舎での管理の問題だが、それ以上に、ホダ場での休養管理もすごく重要である。

要は乾かさないこと。25度以上に温度を上げないこと。つまり、水をかける時間とタイミングなのである。これは言葉ではわからない。自分の体で感じないと取得できない技術と言える。


 そんなことをまなびながら、9月に入って夜温が下がってきた。25度の熱帯夜が、21〜22度まで下がった。ハウス内で昼は30度を越しても夜温が下がれば、椎茸菌は動いてくる。

動き始めたのである。8月の中旬、いわゆるお盆のころは酷暑のために1週間くらい休んだ。そのため、休養が十分だったせいか椎茸が大発生し始めた。
 

私が収穫し始めたのが、今年の5月からであるが、その間で最大の収穫量である。それもいいキノコばっかし・・・・。9月になればキノコは出てくるよ、と言われていたがこんなに発生するとは思わなかった


この発生が9月としては平均的な発生なのか、平均以上の発生なのか、他人と比べてはどうなのか比較対象はないからわからないが、これは経営的には相当助かる。


そして問題なのは、この大発生の原因である。確かに発生時の気温の問題もあると思うが、ホダ場での休養管理の問題だと思う。

いくら涼しくなったといっても、ホダ場で椎茸菌が生長してその芽を形成しないことには、話にならないからである。つまり、ホダ木での水の掛け方が間違いではなかったということの証左と言ってよい。このやり方が、来年へと継続される。これが技術というものであろう。


 心配であった販売だが、キノコの質が良いせいか、売れるのである。近くの直売所では平日でも通常の倍は売れている。翌日への売り残しもほとんどない。生椎茸は日持ちしないから、2日程度は何とかなるが、3日目になれば腐ってしまう。


陳列棚が平台で冷蔵ケースではないからである。7月8月はそのため結構腐敗が生じ、返品が多かった。しかし、9月に入ってからはほとんどないといってよい。売れ残りが少ないからである。


 この涼しさはキノコの季節につながる。また新しい作業がどんどん出てくる。私の一馬力では足りなくなってくる予感がする。