<椎茸作業・・・黒松林・・・>

梨が開花時期を迎えています



<椎茸作業・・・黒松林・・・>


 私の原木椎茸にとっては、松林が生命線である。正確に言うならば、砂地の黒松林である。適当に水分があって水はけがいい・・・わかったような、わからないような言い方だが、これが最高なのである。


 その松に開花時期を迎えた。開花といってもどれが花なのかはわからないが、専門的に言えば「胞嚢」(?)という花粉を溜めた袋から花粉が風によって飛んでいくのである。これは毎年、田植えの頃の「風物」といっても差し支えない。


帽子をかぶらないで松林に行けば頭が花粉で黄色くなる。黄砂を思えばよい。スギ花粉みたいに人に悪さはしないことになっている。「松花粉症」なんて聞いたことがないからである。


 この「胞嚢」にたっぷり花粉を抱いているかがこの松が元気かのバロメーターとなる。松くい虫にやられた黒松は「胞嚢」をつくれない。(正確には線虫が犯人ではあるが)下から見上げながら松くい虫に負けないでくれと祈るのである。


 「胞嚢」はオレンジ系統の黄色になっていて成長点形成されており、指先でつつくと花粉がファ〜と飛び出す。雄花と雌花があるらしくて、雌花が受粉すると「松笠」が形成され「松の種」となるということを聞いたことがある。間違いかもしれないがそんなイメージである。


 この三月に植樹した黒松にも先だって追肥をした。松枯れ病で全滅した古いホダ場をブルで整地して、そこに10年後のホダ場を目指して、黒松を植林したのである。現状のホダ場では、4〜5年後に恐らく満杯になり新たな対応に迫られる、と判断したからである。


松に追肥なんて聞いたことがない。ほって置いても伸びるのにどうして追肥なんて・・・といわれそうであるが、それなりの理由があるのである。


春先に植樹した黒松は植えて数日で兎にやられた。すべてやられたわけではないが数本というところか。しかし、昨年の12月に植えた松はほとんどやられてしまった。幼松の成長点が鋭い刃物に切られたみたいに鋭利に切られているのである。


はじめは誰かが意図的に切ったのかとも思ったが、足跡を見れば兎であった。冬の餌がない時期に雪の中からひょっこり顔をだしている松の成長点はおいしい御馳走に違いない。12月に200本ばかり植えたのが、全滅である。三月に植えた黒松もわずかであるがやられた。


 じゃ、この兎の被害を防ぐためにはどうしたらいいかということである。要するに成長点が食べられるのは植えた松が短いからだと判断した。兎の手が届くような高さが原因なのである。


だから、早く伸ばすような対策が必要と思ってそうするためには、肥料で成長を早めなければならないのである。今度の冬には兎が届かない高さまで成長してくれないとまた、兎にやられる可能性が大と考えざるを得ない。松の苗を購入した業者と相談しての結果である。



とりあえず、花粉を作るころが一番重要な時期だろうと思って、硫安を植え穴に一掴みずつ追肥した。その業者は通常の化成肥料でいいというから、窒素成分が高くて、そして安い硫安を選んだ。


先日の雨で吸収されたようで、黒松が黒くなりはじめたような気がした。一刻も早く伸びて欲しい。兎の手が届かないくらい伸びて欲しい。神頼みといわれても仕方ないが、この心境であることは間違いない。