<椎茸作業・・・井戸堀(二)・・・>

ホダ場での散水、ようやく完成

<椎茸作業・・・井戸堀(二)・・・>


 そうこうしてようやく、井戸と配管は完成した。試運転でも水は出てきた。予想以上の水量である。これだったら、十分すぎるくらいだ。この先は私の仕事となる。ホダ場での配管と散水ホースの設置である。結論から言えば、これにも相当苦労した。素人の私はただ塩ビ管をつないで先に散水ホースをつければいいとしか考えていなかった。


 エンジンをかけて、ポンプアップする。水は出てくる。しかし、散水ホースからは思ったようには水が出てこない。そうこうしていると、繋いだは塩ビ管が外れて水が噴出す・・・・。何回もやったが原因がわからない。そのたびに、水をかぶりびしょ濡れになる。合羽は用意していたが、そんなもので水を防げるものではない。



 塩ビ管の配管が外れるとそれを繋ぐ作業。糊はつけていなかったので外れる覚悟はしていた。ノリをつけると配管を変更する場合外せなくなるから、できるだけつけないようにしていた。しかし、そんなことは言っていられなかった。とにかく外れないようにとそれしか考えていなかった。


 2〜3日してようやく原因がわかった。簡単なことなのだが、圧力が高すぎたのである。おまけに、地下水だから砂とかが混じって散水ホースが芽が詰まると思い、フイルターをつけていたのだ。それが、余計な圧力となり、配管が外れる原因となっていた。そのフイルターを外したら、スムーズに水が流れ出した。



 しかしながら、今度は散水ホースからの水量が一定でない。50ミリの塩ビ管から25ミリの塩ビ管2本を取って、それぞれ散水ホースをつけたのだが、その長さが倍も違う。方や30メートルくらいと80メートルくらい・・・。80メートルのホースの最後のほうは水はいくばくも出てこない。


散水といえるもんじゃないのである。これもしばし考えた。ホースの説明書を見たら、先のほうと最後のほうではホースにかかる圧力が違うため、散水パワーが違うのである。

 これもまた、一つ勉強になった。とりあえず、二つのホースの長さを同じ程度にし試してみた。やっと予想通りの散水量になった。


しかし、80メートルホースは30メートル地点でストッパーでとめてあるので、それ以降をどうするか課題となった。25ミリの塩ビ管をもう一つつけて30メートル以降に迂回するか。それとも、30メートル以降は細い散水に変えるか、である


 何回も何回も水と格闘してようやく、散水設備が完成した。苦労の賜物としか言いようがない。問題はこれをいかに利用して椎茸の生産量を確保することである。


椎茸が水をほしがっているときはどんなときか、椎茸が答えてくれるわけではない。これは、作物全般に言えることだが、これが、経験と技術である。腕の見せどこ、ということになる。一応準備は整った。春の自然子がそろそろ出始める。これからが正念場である