<農業者ネットワーク・・・「基本計画」討論集会(二)・・・>

雪の中のきのこです

<農業者ネットワーク・・・「基本計画」討論集会(二)・・・


 会場からの質疑として、会津の女性が手を上げた。一瞬、私より早かった。一番前に座っていての挙手だったので司会者がすかさず指名した。これも山間地での農業の成功例の報告である。皆拍手である。


 次に、私が指名された。私も前から二番目の席に座っていたので、後席に手を上げた人はいるかは確認できなかったが、後で聞いたらいなかったとのこと。つまり、2人しか質疑はなかったのである。最初の女性は「報告と決意表明」であったから、実質的な質問は私だけであった。


私の質問は2点であった。最初は、水田利活用自給力向上事業での米粉の問題。「8万円の交付金をつけて華々しく花火を打ち上げたが、実需者との契約ができないのが実情である。JAでは米粉は止めた方がいいといわれ、農政事務所も民民契約だから、関与しないとのこと。これは、大風呂敷ではないか」と詰めた。


 次に「耕作放棄地を誰がどのようにして作るのか、耕作放棄地は当然条件不利地域である。コストや手間隙をかけてつくる人がどこにいるか、食料自給率を高めるというなら、このことを一番取り上げなくてはならないのでは・・・」


 これに対する、井出事務次官の回答は、米粉の実需者との契約は最初だからなかなかうまくいっていない状況もある。農政事務所としても何らかの形でつなげる努力をしていく、と。


 次の耕作放棄地の議論については「今年は、モデル事業である。本格実施は翌年度なのでそれまでに様々な課題を検討して、何とかして自給率を高めるようにしたい。モデル事業で実施した制度は、次の年なくなるということは絶対にない」であった。


 市町村や県の役人は事務次官クラスと対等に質疑することはほぼないと聞いている。それを怖いもの知らずに質問したものだから、後で農政事務所の友人にこのことを報告したら、びっくりしていた。私は質問するためにワザワザ仙台まで出かけたのであるから、当然といえば当然のことである。


 はっきりいって、現場からの質問というのはこれくらいであった。討論会といっても名前だけで全国で九ヶ所でこのような討論会をしているときいたが、私は「アリバイつくり」のためのものじゃないか、と思った。私の前に質問した女性は、第二部になったらもういなかった。これは「ヤラセ」じゃないかとも疑った。


もっともっと現場で起こっていて議論しなければならないことがたくさんあるはず。帰りの車の中で三人でお役所の農政というのはこんなものだよなあ・・・とため息を付きながらの帰途の4時間であった。