<農業者ネットワーク・・・「基本計画」討論集会(一)・・・>

雪のホタ場の風景です

<農業者ネットワーク・・・「基本計画」討論集会(一)・・・>

 先日、仙台で「基本計画」の討論集会があった


「基本計画」というのは平成11年に策定された「食料・農業・農村基本法」に基づいて5年ごとに見直し策定されることになっている基本計画である。今年がその見直し年となっているので3月には発表されるという。その策定のために地方での意見を聞くという「討論集会」である。



 私は、様々な意味でこの「基本計画」に注目している。平成11年の基本法自民党農政の象徴であり、「産業として自立」すること。つまり、採算の合う農業をしろ、と。そのためには「構造改善」をしなければならない。つまり、大規模農家を育成して、中小農家は切り捨て・・・・こんなことが基本方針としている。この法律には共産党を除いてすべての政党が賛成している。



 しかしながら、今回の「戸別所得補償制度」は食料自給率の向上のために、大規模農家だけでなく、「多様な経営体」として、中小農家も必要だという考えを打ち出している。食料自給率を10年間で50%に上げるということは、耕作放棄地などの農地をフル利用しなければならず、機動性に富んだ「多様な経営体」を無視することはできなくなっているのである。その整合性をどのように取るのか、今回の基本計画は問われているのである。



 仙台へは、3人で出発した。片道4時間の車のたびである。私も含めた論客三名は車の中でも現在の農政について議論百出、飽きることのないドライブであったが、それだけ討論集会への期待が大である、ということだった。



 討論集会への政府側の参加者は当初、山田副大臣がくる予定であったが、多忙ということで急遽、井出農林水産事務次官と変わった。200名くらい入る会場で実質は150名程度の参加者だと思うが、結論から言えば、全くの期待はずれであった。


 公開討論会なのであるから、今の民主党農政に賛成、反対の様々な議論が出るかと思ったが、皆「ヨイショ」の意見しか出ない。パネラーにしても農事組合法人の代表が出てきたりして、成功事例を長々と報告したり、食育の専門家が出てきて米の消費を拡大するための方策とか、そのウンチクをのたまわっていた・・・。



唯一辛口の意見を出したのが、栃木県の町長をしている人で、中山間地の現実を訴えていた。中山間地を無視すれば、都会には食料は続かない、都会の人は外国からの農薬付けの食料を食べれよいのだ・・・というニュアンスの発言をしていた。

<続く>