<椎茸作業・・・・原木調達Kさんのこと・・・>

コナラの原木の伐採現場です


<椎茸作業・・・・原木調達Kさんのこと・・・>


;">「俺だけど、ちょっと原木見てくれないか?」「太さと細さ・・・どの程度までならいいか・・・・」「今、山だけど、山を見てくれないか・・・」


来年の春植菌する原木は、できれば11月中に伐採して欲しい、とKさんには連絡してあった。日時を指定して、秋田市郊外の雑木林を案内してもらうことになった。


来年植菌する原木はすでに発注していなければ間に合わない。今年の11月中、いや、10月の中旬でもいい、「三分紅葉」で伐採、というのが理想らしい。しかし、それは自分でナラの雑木林を持っている人の話し。私のような原木を100%購入しているものにとっては、伐採の時期とか、乾燥度合いを林業者にお願いできる筋ではない。


植菌する原木は乾燥していなければならない。水分で言うと30%程度といわれている。しかし、一本一本水分系で測るわけには行かない。水分30%というと相当乾いていると考えてよい。植菌した椎茸菌がその木に活着するためには、ホダ木の導管にある程度の酸素がなければそこで繁殖はできない。


水分が多いということは、導管が水分でふさがっていることである。だから、「三分紅葉」で伐採する。木は気温が下がれば、光合成をやめ、根からの水分の取り込みをやめる。そのため「紅葉」という現象がおこる。


三分紅葉」とは、水止めをしたということである。だから、ここでの伐採が理想で、その後は水抜きのため乾かすのである。だから、今、Kさんは伐採の最中なのである。Kさん一人ではない。彼女と2人での作業なのである。面白いことに妻ではなく彼女なのである。



Kさんとは昨年出会った。昨年、原木を供給してくれる業者を探していた。昨年は8月頃から探し初めていて苦労して原木の供給を約束してもらった。しかし、その業者に年を越して2月になってドタキャンを食らった。たまったものではない。


参った。そこで最後の手段として、地元の新聞に「椎茸原木買います」の広告を載せた。その広告をみてKさんは私に電話してきたのである。話はとんとん拍子に決まり、そしてお互いの「戸籍調べ」の話になった。いろいろ話してみると、私の隣家の長男(今は家にはいない)とは同級生で、JAの私の同僚(当時)とは叔父、甥の関係・・・・みなこんなもんである・・・。



彼は運送会社を経営していたが、倒産して仙台に「逃げた」。しかし、親の住む家は地元にあり通っているという。昔、運送業をやりながら原木のブローカーをやっていたので、また戻ったとのこと。そんな彼とはウマが合う。変な駆け引きはしないで率直に話せる。


指定された場所で落ち合って、ヤマへと向かった。雨上がりなので林道はぬかるんでいた。林道を走ること30分、現場に着いた。斜度30度くらいある急峻な現場である。こんなところでコナラの原木を伐採している。おおよそ25年から30年生の木である。


一本のコナラから7〜8本の原木が取れる。根元の部分は太すぎて原木には向かない。向かないのではなくて運搬できないのである。人手しかないから、太さ20センチ以上の大径木を100本も運べば腰が持たない。だからどの程度まではいいのか、私の了承を得たかったのである。


それとともに直径5〜6センチの枝の部分もある。通常は薪木となってホームセンターへ行くのであるが、私にとってはもったいないのである。「細くてもできるだけ原木にしたい」と伝えてあった。だから、だからどの程度までならいいのか「細さ程度」を確認したかったのである。


彼は、今60歳といっていた。70まではこの仕事をやるという。私にも原木を続けてくれるという。願ってもないことであるが、彼の体が持つかは別の話である。重労働なのである。

50くらいの彼女は美人で愛想が良く、どんな関係かは気になるところではあるが、2人での仕事は重労働を癒してくれるとは思う。彼の体を心配せずにはいられなかった。


写真は、山の朝の幻想的な風景と、原木伐採現場です