<農業問題・・・「バイオ燃料」設備稼働・・・>

奥森吉小又峡、三階の滝です

<農業問題・・・「バイオ燃料」設備稼働・・・>


08年の12月にバイオ燃料フォーラムについてアップした。要するに稲わらや籾殻などのいわゆるセルロースバイオマスから、バイオエタノールを作り出そうというプロジェクトである。そのプロジェクトが具体的に動き出した。そのことを、先日の秋田魁新聞はウェブ版で伝えている。今回はほぼその報道を引用した。


 プロジェクトは、大潟村の県農業公社で収穫した稲わらを収集し、そして20キロ近くにあるプラントに運んでエタノールを生産するということであるが、そのプラントは、国からの補助を受け国内最大といわれるプラントである。


 穀物類からのエタノール生産は北海道や新潟ですでに始まっているが、それは「食料」と競合すると言う難点を持っている。稲藁とか籾殻はほとんどが肥料や土壌改良剤はては廃棄などされ、食料とは競合しないバイオマスである。


 しかし、作物で作るエタノールは日本酒を作る行程をほぼ一緒なので簡単に作れる。しかし、稲藁などは「前処理」行程が必要でそれよりは手間隙がかかる。性能の良い酵母によってセルロースを分解する行程が必要なのである。


 だから、できるだけコストがかからない方法でエタノールを生産しなければならないのである。その実証プラントが今回のプロジェクトなのである。目標はリッター90円と聞いている。 


 魁新聞は伝えている。
「初日は1・25ヘクタールの水田で稲刈り後のわらを回収。回転式の大型レーキを取り付けたトラクターを使ってかき集め、最新の自走式機械で円筒状のロール(長さと直径1・2メートル、重さ200〜300キロ)に巻き上げて圧縮。これをラップで包み、屋外で長期保存できるようにした。」


 要するに、牧草を収集するような感覚である。
そして、「 今回集めた稲わらはいったん村内で保管され、プラントの稼働に合わせて潟上市へ運搬される予定。プラントでは稲わらを粉末状に砕いた後、熱水を加えて糖化。さらに糖化液を発酵させ、蒸留・精製してエタノールを生産する。
 プラントの完工式は来月18日に行われる。1日200リットルの製造を目指すが、本年度は技術確立のための試験製造が中心。来年度からはエタノール100%で車を走らせる試験を行う
。」


 
 しかしながら、この90円が目標のバイオエタノールも現在のガソリンの値段が130円弱。民主党の公約のガソリンの暫定税率(リッター当り25.1円)が廃止なれば、この90円という目標は、有効なのかどうか、今後のガソリンの動向にもよるんだが、微妙な状況になる。