<今、農協では・・・・農業経済学者は?(二)・・・>

庭に咲いたオダマキです

<今、農協では・・・・農業経済学者は?(二)・・・>


  「秋田県の農協は広域合併してほぼ10年になる。私はこの10年の総括が必要だと思っている。しかし、そんな総括をする組合長なんていやしない。合併当初の『合併な○ヵ年計画』というのを作っているはず。その通りになっている農協なんてありゃしない。そのような総括を進める農協研究者や農業経済学者もいない。


Aさん「その通りだね。協同組合理念と現実の農協の実態を比べるとギャップの激しいこと。このことに対する批判は一般論としては聞くけど、個別の農協に対する批判はない。このギャップは現場で起きているんだから、その現場を批判しなければならないはずだ。それによって解決策がでてくる農協だってあるはずなんだが、リスクを犯してそういうことをしようとしない。」


  「農協を愛し、そしてよくしようと思ったら個別農協の具体的に欠点を指摘することも重要だと思う。そうしないと具体的な改善策は出て来ない。場合によっては自らが組合長をかって出る、そして実践して農協運動の手本を、モデルを作り上げる、ということも必要じゃないかなあ・・・。そんなことをする学者先生も見当たらない。要するに評論家っていうやつだよ。」


Aさん農協の組合長は所詮、農家の親父だ。その親父が複雑な農協経営と運動を担うなんて無理があるのはわかっている。だから経営管理委員会っていう理事会の上にまた理事会みたいな屋上屋を重ねなければならない。農家の親父である組合長を攻めるのはかわいそうだという気もある。」


  「いづれにしても今の農協は何とかしてよくしなければならない。特に職員が自らの農協をよい農協と言えない、評価できない、自慢できない現実を何とかしなければならない。職員が自らの仕事に自身を待てば、そして情熱を持って仕事をすれば必ず農家組合員はついてくる。」


Aさん「それは、同感だ。あなたみたいな考えを持っている職員が辞めるなんてこれもまたこの業界にとっては損失だ。」


  「辞めたから、こんなことが言えるんであって現役のままじゃいくらなんでも言えやしない・・・」


Aさん「企業文化っていうやつに構造的な問題もあるんじゃないかな?それをあなたは壊さなきゃならない。組合長になって・・・・」


  「ハハハ・・・組合長になってか・・・・こんな俺を誰が組合長にしてくれるかなあ・・・俺が組合長にでもなれるような条件があったら、農協はとっくの昔によくなっているんじゃないかなあ・・・」


こんな会話がしばらく続いた。読者はどう思いますか?