<今、職場では・・・コンプライアンス研修・・・>

冬の夕日です

<今、職場では・・・コンプライアンス研修・・・>


 我JAは不祥事続きのため、県からランクづけされていると言う。どんなランクかは忘れてしまったが、いいランクではないことには間違いない。


そのため、各支店では毎月コンプライアンス遵守のための研修をしなければならないことになっている。そして、どういう内容でやったかも報告しなければならないとのことである。


 先日、その研修が行なわれた。17時半からの開始であるため当然時間外が発生するが、恐らくそれを請求する職員はいないと思う。コンプライアンスの研修がコンプライアンス違反をする・・・・こんなお粗末なことはシャレにもならないだろう。


 ところで、今回の研修はちょっと違っていた。7月に行なわれたのだと思うが、それに対する県の検査事項へのJAの回答が研修テーマであった。「不祥事未然防止実行策」というものである。それには最初に不祥事の原因として、管理者の管理能力不足と職員同士での相互牽制が働かなかったことが上げられている。



 管理者に管理能力がないことは今更はじまったことではない。10年前に合併した当初から、なにが起こっても組合長は「管理者がなっていない・・・」と再三、再四言っていた。


自らがわかっていながら、未だに管理能力がないことを言及するとすれば、経営者はこの10年間なにをしていたのか、経営能力が問われるはずであるが・・・・相も変わらず、自らの責任については何ら言及していない。できないのであろう。


 職員同士の相互牽制については、先の団交でも職員不足の問題を追及した。相互牽制というのは一つの仕事を複数でやる体制があって初めてできることである。人手不足で複数体制ができていない。


一つの仕事が一人に集中してしまう。おまけに実績主義が導入され、自らの実績さえ上げれば、人はどうなっても関係ないという風潮が蔓延している。人のことなんか構っていられない、というところが本音である。


このことについてある人が支店長に質問した。


 Aさん 「職員不足で、相互牽制なんかできないことが支店長自身わかってますよね・・・」「こんな字面だけの回答を作って、経営者は本気で不祥事を無くそうなんて思っているとは思えない・・・経営者のその体質が問題なんじゃないですか・・・」


支店長 「あなたの言うことは理解できる。現金の輸送も二人でやれ、となっている。忙しいときに二人でなんていけるはずがない。みんなで協力してやるしかない」


Aさん 「皆で協力する体制はあるんですか? 皆に聞いてみてください・・・・」


支店長 「・・・・・」


Aさん 「ついでにいいますけど、毎年労基署が査察に来て労基法違反を指摘している。毎年ですよ。これも重大なコンプライアンス違反で改善しようとする意志が見当たらない。トップがそんな姿勢で、末端だけ良くしようとしても良くなるはずがありますか?」「それに不祥事なんて今の体制でしようと思えば、いくらでも出来るんじゃないですか。支店長はどう思いますか?」


支店長 「その通り、しようと思えばそんなに難しいことではないと思う。」


Aさん 「要するに、職員一人一人のモチベーションの問題なんですよ。それを問題にしないで、マニュアル通りやれば無くなるなんて、経営者として失格じゃないですか。」


支店長 「その通り、職員のモチベーションの問題で、それを何とか改善しなければならないと思っている。それができない一番の原因はあなたが指摘しているように、いわゆる成果主義が一番の問題である。」


 まあ、大まかにこんなやり取りであった。支店長でさえ成果主義が一番の問題だといわざるを得なかった。それくらい、その病が蔓延している。10数名の参加であったが、このことは皆の共通認識であると確信した。