<農業問題・・・・「日本有機農業学会」(5)・・・>

南天の実です

<農業問題・・・・「日本有機農業学会」(5)・・・>


 ついでに、生活クラブ生協の理念などを紹介して行きます。(なお、これは生活クラブ生協連合、会長加藤好一氏の「月刊JA」2008年11月号の論文の一部を転載したものです)


生活クラブ生協では、『商品』といわず、『消費財』と言います。消費財とは以下に述べる要件を満たすものです。そういう材を生産者とともに「つくる」運動であることが、生活クラブ共同購入の第一目標です。
 その要件とは、次の6項目です。


1、 使用価値を追求したもの
2、 生産者の再生産を保障する適正価格であること
3、 原材料・生産工程・流通・廃棄のすべての段階における情報公開
4、 生活に「有用」であり、身体に「安全」であり、環境に「健全」であること。
5、 生産者と消費者の対等互恵と相互理解と連帯の条件があること。
6、 国内自給と自然環境の追求(「奪わない」持続的な「食料自主管理システム」づくり)


これらを前提とする農業、加工食品、容器包装などの大部分の「消費材基準書」を前提に、消費財づくり運動を生産者とともに進めています。


ここで重要なことは、材に関して言えば「自給」と「循環」であり生産者との関係性において言えば、「情報公開」と「適正価格」です。かつて一般の小売などでは「よりよいものを安く」が販売戦略でした。これに対して生活クラブでは「素性確かな消費財を適正価格で」と言い続けてきました。


私たちは前者は販売者の論理であるのに対し、後者は生協組織の主人公である組合員を主体者としてみる論理、ということに違いを見ます。組合員が「素性」を自ら点検し、「適性」な価格かどうかについて判断する主体となる。その主体としての組合員が、材を「つくる」運動をともに進める相手が、パートナーたる「生産者」、という構図です。」



以上が月刊JAからの引用で、この後にも思慮深い記述があるが、共同購入の理念が如何なく表明されていると思う。


しかしながら、へそ曲がりな私にとって、この字面だけを100%受け入れるわけにはいかない。字面はどうであろうと、現実が、実際はどうかが一番重要なのである。


農協とて、その理念を並べれば、理想的な運動としてのそれが浮かび上がってくる。しかし、実際は全く違う。同じ協同組合として、生活クラブ生協も実際はどうか疑い深くなってきている。



私の経験から言えば、そこに働く職員がどれだけその理念を理解し、かつ実践しているかで判断できると思う。現場の職員が生き生きしていれば、働き甲斐を見出していれば、「本物」という評価を与えてもいいと思う。


日本の農業を守るためにも「本物」であって欲しいと思うのは私だけであろうか。(了)