<農業問題・・・「日本有機農業学会」(4)

南天の実です

<農業問題・・・・「日本有機農業学会」(4)・・・>


次ぎに「独自ブランド生協」である。最初にこの「ブランド」という言葉の意味にすごく違和感を覚えてならない。


「ブランド」とは日本語で言うと「商標」であって、「商品」を前提としたカテゴリーに属すると思う。特にこれから説明する「生活クラブ生協」の場合「ブランド」ではないと私は思うので苦言を呈しておく。


 これに属するのは生活クラブ生協連合会(同31万人、839億円)である。私の知る範囲では恐らくこれだけであると思う。この項はちょっと長くなるが、「報告」から全文引用することとする。


「生活クラブでは、消費財の安全性の追求、食の持久力を高める、おおぜいの参加など10の『安全・健康・環境』生活クラブ原則をふくむ農業基準の批准を条件に取り扱いを行なっている


 農業基準は永続的な農業生産を続けられること、農薬・化学肥料をなるべく使用しないことなどの12からなる基本姿勢と、農業環境推進、農産物の部門ごとの基準、」栽培計画、栽培結果、検査などからなっており、97年以降、毎年見直し改定が進められてきている。


 そのため、有機という特別なくくりは推奨していないし、記録もとられていない。首都圏では、提携産地と言う地場産地(29)と地域循環型産地を中心にこれら地場産地と64の提携産地と全農との間で提携合意書に基づいた合意書を結んで事業を推進している


 特徴はおおぜいのの監査活動、NPO農作業受託ネットワーク、都市農業生産者の会へのかかわりなどをはじめ、牛乳工場・養鶏・肉行牧場などへの出資「生産する消費者」という面での取り組みも進められている。また、飼料米による豚肉生産など畜産における国産化推進にも特徴ある。」


これ以上の説明は不用と思うが、日本の農業をまもり、かつ、持続的に食の安心安全を担保する。国による「認証制度」を頼らない、かつ、有機のみが食の安心安全を担保するという立場もとらない。そのためには生産者と消費者の交流や同質化を追究していく、という基本理念が見受けられる。


「同質化生協」や「トップブランド生協」は完全有機なら輸入農産物でも構わない、というスタンスがある。農産物を「商品」としか見ていないからである。そういう意味では、生活クラブ生協有機農産物の「脱商品化」を直接的ではないが実質的に主張している唯一の生協ではないかと思うのだが、過大評価であろうか