<読書・・・地産地消の経済学・・・>

たわわに実った枝豆(秘伝)

<読書・・・地産地消の経済学(一)・・・>


 秋田にもジュンク堂が出来たので、たまには暇を見て通っている。当然、専門書それも農業関係書に目が行く。


その日も何気なく農業関係書に目をやったら、標記の本が目に飛び込んできた。「地産池消費の経済学」、池本廣希著、とあった。この著者のネームははじめてである。


 業界では知られた名前ではない。ぺらぺらとめくってみたら、結構面白いことが書いてある。2500円でちょっと高いとためらったが、買ってしまった。買ったからには読まなくてならない。2500円分の満足感を得なければ損ということになる。 


 結果的に見れば、チョー感動したというほどではないが、5000円くらい分の勝ちはあった。読んでみるべき本であると思った


 近年、農家自身による「直売所」あっちこっちに乱立している。敢えて「乱立」といわせてもらう。これは地産地消というよりは、儲けたいがための「乱立」ではないだろうか。


 何も儲けることが悪いことではない。どんどん儲けてもらえばいいんだが、そこには地産地消の意義なり理念がどっかに吹っ飛んでいるという現象が見受けられる。 


 「直売所」が出来たのは地産地消の理念を理解して、それを実践するためではない。「直売所」が繁栄しているのを見て学者先生が、「これはいい」と直感しそのあとで様々な理屈をつけてそれを地産地消と呼ぶようになった感はする。そういう意味では「後だしジャンケン」に似ている。


 そんなことは、どうでもいいとしてもこの本は、その理念を語っている。毎日精を出して直売所に通い、農産物を供給しているオバちゃんたちが自らは意識しないまでも、その役割を担っているということであろう


 著者が大きな評価を与えている地産地消はそのようなおばちゃんたちに支えられているということである。そのようなオバちゃんたちにもちょっとは読んでもらいたい本でもある。


以下、その内容をすべて紹介はできないので、著者の地産地消の理念を紹介したいと思う。それに対する私の批判的な検討もつけさせていただく。その上で、地産地消ってなんなのだ・・・ということを議論できれば幸いである。
<続く>