<農業問題・・・ミニマムアクセス米のペテン・・・>

ススキが綺麗です

<農業問題・・・ミニマムアクセス米のペテン・・・>

 三笠フーズによるミニマムアクセス米(MA米)の横流しによる政府のよる米の管理について大変な騒ぎになっている。いわゆるMA米の事故米(食用にできない農薬等の汚染米)が食用米として流通していたのである。儲けを優先した三笠フーズとそれを管理できていない農水省の責任が問われている。


 そんな中で、9/28の朝日新聞がその関連記事でMA米について「新たな事実」として、MA米は輸入義務ではない、と報じている。我々、業界関係者はイロイロな情報から「輸入義務ではない」ということにはうすうす感じていたが、これほど明確に「輸入義務ではない。」「その輸入はアメリカに対する配慮だ」と報道したのは初めてだとおもった。


 朝日新聞によると、今年の9月に民主党の篠原議員がWTOの議長への質問の回答として「MAは義務ではない。一定量を輸入することを許すという意味だ」と回答し、実際日本と同様に中国などもMAはあるが輸入量はほぼゼロで主要国からは非難は出ていない、と報じている。


 これは我々が説明を受けていた「輸入義務」とは全然違う。それは政府のペテンといっていいくらいの背信行為である。


 続けて朝日新聞農水省幹部の証言として「市場開放を強く求めた米国に配慮して、国家貿易として米国産米を確実に買うと米国を説得した。輸入を義務にしないとはいえなかった」と報じている。


 つまり、米国の強硬な輸入要求に対して、国民や農業関係者に「MA米は輸入義務である」と再三、再四にわたり説明してきたことが全くの嘘だったということである。これによって、米価は実質的に下がり、全国の稲作農家に大損害を与えてしまったのである。日本の農業つぶしを彼らの嘘で加速させてしまったのである。この責任は重い。



 また、MA米が米粉として流通しているというのは噂としては、かなり前からあった。政府は「MA米は市場から隔離する。それに伴う転作の強化はしない」と公約として掲げていたが誰もそれをそのまま信用はしていなかった。



 横流しが発覚したのは、三笠フーズ側からの内部告発からだという。その前に農水省の現場職員が一番わかっていたはずである。二重帳簿くらいすぐに見抜けるはずである。逆に言えばそのような二重帳簿を見抜くために検査は行なわれているのだから、見抜けなかったのは相当の節穴である。



昔は実際のJAでの倉庫検査でも帳簿上の在庫と実際の在庫が違うことがよくあったと聞いている。担当の話だと合わないのが普通であったのである。そのため、他農協から不足分を借りてきたり、ハイ積みに工夫したり・・・二重帳簿をつくったと聞いていた。


そのことは、旧食糧事務所の担当官もわかっていて、ことを荒立てたくないがために黙認していたとのことである。


食糧事務所には「全農林」という「強い組合」があった。あえて、過去形を使ったが、その全農林の現場はそのような事実を知っていて明らかにはしなかった農水省と癒着していたといわれてもしかたない。


労働組合の社会的責任を全うしなければ、必ず社会から反発を食う社会保険庁の労組もそのとおりである。誰が見ても社会的に見ておかしな既得権にそれに目をつぶったから、世論に叩かれたのである。全農林もその二の舞を踏まないか心配である。