<山登り・・・新緑の奥十二湖・・・>

新緑の奥十二湖

<山登り・・・新緑の奥十二湖・・・>


 田圃の作業がまったくといっていいほどなくなり、土日が何もすることが無くなった。そうすれば、しかたなく遊びにいくしかない。


 どこへ行こうかと思案したあげく、奥十二湖となった。十二湖は近頃では結構メージャーとなっている。サンダル履きの観光客もいっぱいいる。しかし、そこから、更に奥に入った「奥十二湖」はあまり知られていない。


 十二湖は秋田県青森県の人ならおおよそわかると思うが、白神山地日本海側の秘境といったところだろう。JR五能線に「十二湖駅」があり、JRが五能線と十二湖をタイアップして売り出している。


 私と十二湖の付き合いは高校生時代からである。当然、高校時代は車なんか無かったので、五能線で十二湖駅まで行き、ソコから二時間くらい歩いていった。愛用の「ヤシカエレクトロ35」という当時の流行のカメラを持って・・・。今考えると、よく言ったと思う。高校のすぐ近くの写真屋が十二湖の地元の出身であったこともあり、その影響もかなり受けていた。



 十二湖へはそんなこともあってすでに数十回足を運んでいる。しかし、奥十二湖へは7〜8年前かといってよい。それにまだ、5〜6回しかいっていない。それも紅葉の時期を中心にである。だから、今回はなんとしても「新緑」を見たかった。


 十二湖は、十二の湖があるということではない。聳え立つ「崩山」から見れば、大きな湖が十二あるからそう呼ばれただけのことで、総数では「40近く」の湖がある。数年前の秋、この「40近く」の湖を一日かけて全部まわったことがある。


「40近く」という表現は、通常は沼なのだが、水がないときは湿地になったり、水溜りだったり・・・名前のない「池」もあったり・・・そんなところもあるので、実数は不明確だということである。


新緑の奥十二湖ははじめてであった。結論から言えば、新緑の奥十二湖は最高であった。湖というのは、大きいばかりが美しいということではない。小さな水溜りだって、すごく神秘的なものだってある。その神秘さでは「青池」が一番だと言われているが、私はそれを否定する。


沸壺ノ池」というのが、青池の奥にある。その池は、湧き水がゴーゴーと流れ出でていて、池全体が澄み切っている。その中に緑のコケがはえ、ブナの原生林からの木漏れ日が、神秘性を一段と高めている・・・・。当日は日曜日であったので、すでにカメラマンが二人、三脚でシャッターチャンスを狙っていた。


糸畑の池」からの「崩山」の展望はこれもまた、最高の絵葉書的なフレームとなる。その他に、「金山の池」とか「萱原の池」・・・・等々、個性的な池が並んでいる。

ゆっくり回れば、二時間、早足だとい時間半くらい。日曜日でも人はまばらで、山菜取りの人と数人であったが、ブナの原生林もあり、そこからの木漏れ日が神秘性を醸し出し、なかなか人を寄せ付けない。いつ熊が出てもおかしくはない山の中である。

心地よい汗をかいて、最高のストレス解消となった。