<農業問題・・・地域水田農業活性化緊急対策・・・>

冬の朝日です

<農業問題・・・地域水田農業活性化緊急対策・・・>


またもや、正直者がバカをみる・・・・・

 ナンだ・・・なんだ・・・この長い「戒名・・・」は。


自民党参議院選で負けた「教訓」から、また一時しのぎの政策を打ち出してきた。要するに、昨年までの減反(転作)に今年「上乗せ減反」すれば、100万円を上限に、今まで生産調整に協力してきた農家は5万円/10aがもらえる。今までそれに非協力の農家も3万円/10アールもらえるということなのだ。


今後5年間、自らの生産調整面積を守る(減反に協力する)ということを「長期契約」することによって・・・・


私は、今まで何回か表明してきたように、雑草対策のため、今年から全面積を減反する予定である。この対策に乗れば、約90万円自動的にはいってくることになる。「濡れ手にアワ」とはこのことか。この対策は、本年度の補正予算であるため、3月末まで支給される。現場では、大忙しで説明会など開かれている。


ところが、ところがこの対策、現場ではすこぶる評判が悪い。説明会が紛糾しているところもあると聞く。それは、何故か。


よ〜く考えると、今まで減反に協力してこなかった農家が、この対策で一挙に200アールも減反すればどうなる。まるまる60万円もらえることになる。今まで、目いっぱい協力してきた農家は、「上乗せ減反」なんかできるはずがない。


要するに、この政策はまたしても「正直者が損をする」ものと一般農家には受け止められている。


私の近くには「大潟村」というのがある。御存知の通り、日本でも有数のコメ作り村である。しかし、この村、別名「ヤミ米村」であった。減反に非協力者が半分以上いた。今も協力者のほうが少ない。この政策のおかげで、にわかに「協力者」に転向する輩が出てきたとか。



今までの「非協力者」が得する政策でしかない、といわれても何ら反論できないのである。私も大潟村の「青刈り騒動」があった頃、その隣の農協で転作係をやっていた。この大潟村のおかげでどれくらい苦労したことか。


現在、米価が低迷している。画期的といわれる「品目横断的経営安定対策」が今年からはじまった。しかし集落営農組織がうまく形成されない。5年後の「法人化」にもめどが立たない状況だといわれている。

米価が「一定水準」を保っていなければ、「画期的な政策」も機能しないのである。再生産費にも届かない米価では減反が守られるはずはない。  苦肉の策として、政府、自民党はこの「奇策」を打ち出した。


金を出して、減反面積を拡大し、コメの生産数量を抑えようとしたいのだろうが、その気持ちはわかる。しかし、それではいつまで経っても「正直者が馬鹿を見る」農政でしかない。