<労組活動・・・農協事業あり方研究会・・・>

軒先に垂れたツララです

<労組活動・・・農協事業あり方研究会・・・> 


 先日、熱海で「農協事業あり方研究会」という勉強会に参加した。要するに「危機的な状況」にある農協業界の状況から、労組としてもその現実から逃れることが出来ないので、「農協らしい事業」のあり方を現場の声を通じて検討する、と私は受け取った。


 参加者は全国から来ていたが、上部団体である全農協労連の役員の方々を除いては若かった。若い人ばかりであった。それをどうとらえるかは本題ではないので、私が参加した共済事業の問題について若干報告したいとおもう。

 共済事業自体は、農家生活のリスクを保障するための事業として確立されているわけであるが、それが、農家の生活を守るための事業から、農協の経営を守るための事業に変化していることは、JA職員だったら論を待たないことは周知のことである。


 それが、昨今「コンプライアンス」との関係上、様々な問題をはらんでいることが明らかになってきている。
以下、分科会での発言である。


 「依然として自爆が多い。目標を達成できない職員には、支店長が無理やり自爆をさせている」 


「共済クラブというのがあって、そのクラブ員は1億から2億程度の目標をもたせる。それも半ば強制的に。通常の業務のほかに夜間に推進しなければならないのは、相当の負担だ」 


「昔は、自爆も3ヶ月でよかったが、今は1年、2年となっている。その『早期失解』もその基準がJAによって違う」 


全共連と交渉すると、自爆はコンプライアンス違反だ。また、借名契約や架空契約は徹底的にチェックしている、といっているが、現場の状況はすではないらしい。」


 「LAとしての任期が長年の慣行的なものとしてある。その間はガマンしなければならない、という感じである。」 


「共済推進は、事前に労組と何日間と協定して推進に入る。その協定が交わさなければ、推進には入らない。他の推進も同様である。」


 「LAの契約はほとんど夜であるので、当然、時間外となる。しかし、時間外を請求しているLAは県内ではいないといってよい。」 


「昼間、はっきり行って暇だから、その期間ぶらぶらしているので、気持ち的に夜間推進の時間外は請求できないでいる


 「それに、数字で実績が出るのでそれを達成できないと、請求できるものではない。」 


「フレックスタイムをやっているというけど、正式なフレックスをやっているJAはほとんどないと思うし、労基法上は時間外を請求できる事案である。」


 このように、現在の共済推進には相変わらず相当な問題があることが明らかになっている。ある県の労働局は、何回も警告しても依然として是正されていないので、実名公表しなければならないといっていた、との報告もあった。

 最後に、これは全体会での報告の中で言われたことであったが、「農家が苦しいとき、農協が農家を助けてやれないで、農協の存在価値はどこにあるか・・・」という言葉が印象的だった。