<今、職場では・・・労基署査察・・・>

秋のススキです

<今、職場では・・・労基署査察・・・>


 前にもアップしたことがあったが、パートやフルパート(就業時間は正職員と同じ)の時間外割増が未支給だとして、労基署によって摘発された。

 前々から、所定内労働時間を超えてもその分に割増(25%)が付いていない事案が散見されたので、そのことを団体交渉で指摘して、改善するという回答であった。しかし、改善されてはいなかったようだ。


 これは、明らかに労基法違反なのであるが、パートやフルパートの職員自体が、それが労基法違反であるということに気づいていない、という問題があった。彼ら彼女らは労組には入っていない。いくら勧誘しても入ろうとしない。「一年契約」だから、それを更新してもらえなければ大変だからである。


 具体的にはこうである。
この職場の8月の所定内労働時間は176時間である。Aさんは時給800円。8月の労働時間は、196時間。つまり、176×800円+20×(800×1.25)=16万800円が支給されねばならない。


 ところが、実際は、196×800円=15万6800円であった。つまり、16000円、ピンはねされている、ということである。一番、労働時間が多かった人は、225時間も仕事をしている。彼女は2万円以上のピンはねである。



 これは、なにも彼女一人だけでない。この課のパートやフルパート職員が全員そうなのである。それに、当農協は年間を通じた変形労働時間制をとっている。


 この変形労働時間制というのは、年間の総労働時間が労使協定により決められていて、それを基にして、各月の労働時間が決定される。それで各自の勤務ローティーションをつくり、実際の勤務となる。



 しかし、その勤務ローティーションが作られていなかった。つまり、労働基準法の通りにはなっていなかった。そのため、年間を通じた変形労働時間制とは見なされず、通常の就業規則の労働時間が適用になった。


 つまり、一日8時間労働で週40時間。土日は休み。となる。もっと具体的にいえば、一日、3時間や4時間しか仕事をしない日でも8時間仕事をしたと見なされるのである。
  


 この原因は、担当の課長がこの仕組みを知らなかったことだといわれている。しかし、給与を支払うのは総務の仕事である。担当課から総務に各自のその月の労働時間が上がってくる。


 それをチェックしたら、残業が付くか付かないかはすぐにわかるはずである。要するに手抜きである。「経費節減」のための手抜きとしか思えない



 この頃は労組より、労基署が「恐い」といわれる。今回の労基署の査察は、いわゆる「定期点検」みたいなもので、サービス残業はないか、過労死クラスの過剰残業はないかをタイムカード等を点検して、上記のことが発覚したと言うことである。



経営者は、当初、労組のほうで労基署へ申告したのではないか、と疑ったそうであるが総務課長が労基署の担当官から『定期点検』だと聞いたそうである。



 この課のパートは18名いる。団交での我々の指摘を真摯に受け止め、きちっと調査をしていればこんなことにはならなかった
。今回の事件は、日頃、「コンプライアンス」「コンプライアンス」と叫んでいる経営者だが、それが、掛け声だけに終わっているという証拠である。これも後日の団交での追及材料になる。