<今、職場では・・・中途退職・・・>

秋田駒の風景です

<今、職場では・・・中途退職・・・>


 8月末でまた二人の職員が中途退職した。Hさん53歳、Iさん38歳。


 Hさんはこの2月にLAから米の倉庫係になった。LA時代は2年、その2年間のLAとしての成績はよくはなかった。よくはなかったというよりは、2年間でよい成績を上げられるはずはないのである。私も2年経験したからわかる。


そしての異動である。ご存知の通り当JAは「成果主義」。名ばかりの「成果主義」であるが、初年度のLAの目標は7億.それが達成できなかったということで大幅に給料をダウンさせられたという。


 7億というのは共済連の数字で、目標としては適当かもしれないが、それが、達成して当然という「目標管理の目標」となるとこれはおかしい、といわなければならない。



 「目標管理の目標」は標準となる目標でそれを達成して「B評価」である。故にそれがすぐに自らの給料とリンクする。秋田県下で毎年新任のLAが40〜50名出るが、そのうち7億の目標を達成できるのは2〜3名しかいない。その2〜3名しかできない目標を達成して「B評価」とはあまりにきつい。


 そんなLAから、倉庫係への異動であるが、米担当の減員のため、米の直売も担当させられた。要するに、農協のカントリーで精米された米(あきたこまち)を直接業者などへ販売するのである。


 販売するだけならいい。代金の回収やクレーム処理など簡単な仕事ではない。それもきちっとした引継ぎもなかったらしい。それで嫌気が差した・・・・。
 ちょうど、息子も大学を終えて社会人となった。いい区切りとなった・・・ということらしい。



 Iさんは「バツイチ」で子供が二人。俗に、「奥さんに逃げられた・・・」という状況である。昨年の今ころ、彼とは同じフロアーで仕事していた。彼は青果物の直売担当。市場を通さないでバイヤーと直に取引するのである。


 おもにスーパーなどの量販店が主である。この直売というのがまた難しい。現在の青果物の販売というのはほとんどが計画販売であるから量販店の販売計画に青果物の集荷を合せなければならない。



 それに、品質、規格が統一していなければならない。それが、出来るか出来ないかで産地の評価が決まる。市場を通せば、いろいろな調整が出来るが、直売となると天候などで定時、定量集荷は本当に難しいのである。


 だから、夏から秋にかけては、彼には休みなんてほとんどなかった。徹夜で販売計画を作成していたときもあった。だから、生活は荒れていた。離婚のため荒れたのか、こういう荒れた仕事のため離婚になったのかはわからない。


 かれは、仕事をやめて自分をもう一度見つめてみたい・・・というようなことを徹夜明けの日曜日、私が休日出勤したときこぼしていた。
 確かに、「人生いろいろ」である。農協にいるだけが人生ではない。自らの可能性を別の方向に試すのも一つの方法である。私も何度もそんなことは思って今日に至っている。