<山登り・・・秋田駒3・・・>

ハクサンフウロです

<山登り・・・秋田駒3・・・>


 阿弥陀池から、男岳方向へ上り、馬の背との分岐点の鞍部に差し掛かると、4〜5人が集まって話をしていた。>「馬の小路のチングルマの状況は・・・」とか、「横岳へ行きたいのだが私で大丈夫か・・・」「男岳の見晴らしは・・・」などと話が聞こえてきた


私は、このとき秋田県自然保護指導員」の腕章をはめていたため、その質問の矢面に立ってしまった。質問が止まないのである。答えているとまた別のグループがきて質問する。それがまた話を弾ませる・・・。30分近くそこで立ち止まったような気がする。


 うまくきっかけを作って、馬の背のノボリにかかった。最初は急登であるがこれくらいはたいしたことはない。しかし、さっきの話のグループも私の後についてきた。60を有に超えている。それに太っている・・・これは大変だろうなあ、と思いながら、私は自分のペースで登るしかない。



馬の背の尾根伝いは男岳、女岳から、馬の小路の眺望が最高である
。今日は、少しガスがかかっているが、この馬の小路は通称「ムーミン谷」といわれている。馬の小路の谷伝いから男岳を見上げた景色が、特にガスがかかっている景色が、テレビ漫画の「ムーミン谷」にそっくりだからである。今日は下には降りないが、上から見ても、この景色は絶景である。



 そうしているうちに、目的の「ハクサンフウロ」が見え出してきた。この高山植物は、群落をつくるというよりは、一花、一花が独立していて、ぽつんぽつんと咲いているのである。


色がピンクか赤紫であるから、緑の中で際立って目立つ。赤紫の5枚の花びらには、その花びらよりも濃い赤紫のズジがとおっている。群落をつくらないので、写真が撮りづらい。上から構えても、横から構えてもどうも構図にならない。


それに、風が強く、止んだ瞬間を狙えばよいのだが、それまで待つ余裕はない。だけでも見ることが出来ただけでも収穫である。4〜5年ぶりではないか。秋田県内では、ここでしか私は確認していない。久しぶりに恋人に会ったというところか。 


このハクサンフウロと馬の小路を絶景を眺めながらの尾根歩き、気持ちがいい。風も絶妙に気も意がいい。下界は30度を楽に超えているはずである。岩に腰掛けて、家からもってきたボトル管に入った氷入りのウーロン茶をごくごく飲んだ。「うまい!!」この一言。至福のときである


 そこから、横岳へと縦走して、阿弥陀小屋へと降りた。阿弥陀小屋の前には水場がある。冷たい湧き水である。数人が順番を待っていた。この水を飲まないでは秋田駒に来た甲斐は無いというもの。さすがに冷たくてうまい。後は下るだけである。<つづく>