<山登り・・・秋田駒2・・・>

ハクサントリカブトです

<山登り・・・秋田駒2・・・>


 続いて斜面を登っていくと、「エゾニュウ」の大群落に出会う。「エゾニュウ」はメージャーな高山植物ではない。高山植物の範疇に入るかどうかも微妙なところであるが、ここの「エゾニュウ」は高さ2メートル近くにもなる「大物」が群落をなしているということで有名である



「エゾニュウ」は春先の幼芽は山菜として食べられるのであるが、アクが強くて、ツウでないと喉を通って行かない。私はゲテモノ喰いなのでこういう山菜は大好きである。


日本酒とかビールのつまみにちびりちびりが最高である。ウドの食感に似ているが、こんなに大きくなってからはさすがに食べられない。


 そこから、登っていくと約30分で、「赤土の広場」につく。ここからの田沢湖の眺望は最高である。その日はチョットガスがかかっていたが、それはしかたない。この赤土の広場周辺はお花畑になっていて、この少々手前から、「ウメバチソウ」が咲いている。



ウメバチソウは、白い花で「濃い白」という表現が適当かどうかはわからないが、チングルマというと白い高山植物の代表的なものと比べると、それより、黒ずんでいる感じで落ち着いている。


一般に白い花を撮るには結構テクニックがいる。普通に自動露出で撮ってしまうと白色が飛んでしまう。チングルマはストロボを焚いてもなお、色が飛ぶ。しかし、このウメバチソウは、「濃い」ためかストロボを焚けば大体うまく撮れるのである。そして、この「濃い白」がその清楚さを万遍なく表現している。この花の特徴は清楚さである。


 この「赤土の広場」から、「阿弥陀池」までは30分もかからないのだが、この間がずっとお花畑。6月下旬から8月中旬まで様々な花が咲く。ピークはやり7月中旬。ニッコウキスゲやミヤマウスユキソウ、イワカガミ、ミヤマダイコンソウ・・・・あげればきりがないが、8月に入るとそれらは半減する。


 次に登山道周辺に現れてくるのが、目的のミヤマリンドウである。直径1センチになるかならないかの青紫の花が、4〜5花ずつ咲いている。この青紫が目に飛び込んでくる。ミヤマリンドウにはいろいろな想い出というか想い入れがある。八甲田、大雪、鳥海・・・と。


 今の時期、阿弥陀池周辺の草原地帯はこの花が主役である。それと「ハクサンシャジン」。ハクサンシャジンは「高嶺釣鐘人参」(たかねつりがねにんじん)ともいい、高山帯でない男鹿半島の入道崎の草原にも大群落を作っていて、これも高山植物の範疇であるかは私としては疑問なのであるが・・・高山植物の本にはちゃんと紹介されている。



 今年の阿弥陀池周辺では、ミヤマリンドウが「豊作」とはいえない。「豊作」のときはあたり一面がミヤマリンドウだらけで大感激した年もあった。逆に「不作」の年はチリポリとしか見えなく寂しい時もあった。年によって咲き方が違う。これもまたおもしろい。特に、チングルマは「不作」「豊作」の差が極端である。


 今年のミヤマリンドウは悲しいかなハクサンシャジンに負けている。この草原、あたり一面に咲き誇って欲しかった・・・・。


弥陀池も数日前まで雨模様だったわりには、池の水は多くない。4〜5年前、私の娘を二人連れてきたときがあった。水が多かったので二人は水浴びをして私の顔が真っ赤になったことがある。



 ここから、通常は男岳に登るのだが、今日は馬の背をよじ登って、横岳に向かうことにする。ハクサンフウロを見たいがためである
<続く>

はてなフォトライフに今まで紹介した高山植物を紹介しておく。