<今、職場では・・・「不良債権回収業」?・・・>

自宅前のイチゴの花です

<今、職場では・・・「不良債権回収業」?・・・>


 今年の2月の異動で今度は「不良債権回収担当」。購買から約9ヶ月での異動。通常ではない。組合長に言わせれば、「お前は文章を作るのがうまいだろう」とそれだけのこと。

 不良債権回収というのは、競売、強制執行、裁判の世界である。各支店で回収に手が終えなくなった案件(貸付)を法的マニュアルにそって処理する部門である。


だから、様々な書類を作らなければならない。ほとんどが定められた書式にそっての文章ではあるが、裁判関係の書類は、裁判用語で「準備書面」といい、自らの「主張」(意見)を論理的に構成しなければならない。要するに誰が読んでも、納得する理屈が通っていなければならない。

 それには、「文章力」が必要である。書いた文章の起承転結が明確で、そして簡潔でわかりやすくなければならない。その「準備書面」は裁判官に提出する書類であるから、弁護士名で提出する。


つまり、弁護士が書いたものとするのだが、争点や具体的な経過、債権回収の意図、等々わかるはずがない。わかろうとする労力が並大抵ではない。顧問弁護士は60を過ぎているから、現在では頭に入りきれない。


 だから、ほとんどは現場が書く。要するにこちらの主張、意見を弁護士名で作成するということである。その現場の担当が私である


 私にとっては、文章を書くのはぜんぜん苦痛ではない。このブログも一年になるが、そんなに苦労しているわけではない。主張、内容が頭に入っていれば、要点に尾ひれ背びれをつけてすらすらいく。

当然、下書きなどはしない。職場の同僚などはそれを不思議がる。週に二回のペースでブログを更新しているが、一回一時間くらいで更新できている。


このような「債権回収業」は特別な業務といわれている。職員からも組合員からは嫌われる。当然である。借金の取立屋だからである。それを考慮に入れての私の「起用」だということは間違いない。


 裁判では裁判用語というものがある。前述した「準備書面」「書証」「訴状」「原告」「被告」などなど・・・。文章にも独特の言い回しがある。私が作った準備書面は弁護しにメールで流し、それを弁護士が裁判所に提出する。


裁判はほとんど文章のやり取りである。「口頭弁論」などもあるが、弁論でなくてこれもほとんどが書面である。要するに口で言うことを文章にして提出するのである。テレビの裁判では、証人に対して質問などをするが、それは刑事裁判などでそれもごく一部。


農協の裁判はほとんどが貸金の請求であるから民事裁判といわれるもので、様々証拠書類を駆使して、準備書面でこれを構成して相手の論理を崩す。それが、労組の団体交渉と似ている。農協の経営方針と実際を比べてその矛盾点をつくという交渉は、借金の取り立て交渉に通じるものがある。


それに、相手の状況を考慮にいれて、どの辺で妥協するかも似ている。資産のない人からいくら取ろうとしても限界があるからである。闇雲に取ろうとすれば自己破産される可能性もある。
<つづく>