<今、職場では・・・グルミ選挙・・・>

大潟村熱帯植物園にて

<今、職場では・・・グルミ選挙・・・>


 参議院選挙も近づき、農協では「組織内候補」としての「山田としお」の選挙に躍起である。いわゆる、農協組織ぐるみの選挙である


 こんなに米価が下がって、そして農協の経営も悪化させたのは、一重に自民党農政である。その反省があるかないかはわからないが、自民党公認として全国区の候補として出馬する。 当JAでは、その「山田としお」の励ます会があった。政治的には中立のはずの農協が、時間内にそして職員をほぼ全員動員して・・・・その報告である。




 16:44 山田としお候補が来場。その30分前から、100名近くの人が椅子に座って待っている。農家も数人いるが、ほとんどが職員である。40分もかかる支店から業務命令で参加している。講堂のひな壇の左には、中央会会長、そして、山田としお候補、中央会常務とお偉方が並ぶ。そして、右側には組合長、専務、青年部副部長、女性部長。司会は当JAの常務。


 はじめに、当組合長のあいさつ。「今までは、行政からの候補であった。今回初めて組織内の候補を擁立した。農家の心がわかる候補なのでぜひとも当選させたい・・・」

 今まで参議院選で農協が推薦する候補は、ほとんど「官僚候補」農水省のキャリアで「天下り先」として「先生」を選ぶ。官僚との癒着の構造から、それを推薦せざるを得なかった。このような形で全中の役員を候補として担ぐのは、初めてといってよい。JA組合長や元職員が「先生」になったケースは少なくはないが、農協という業界がグルミで担ぎ上げる初めての候補である。



 続いて、中央会会長あいさつ。「農業、農村の実態を知らない先生が多くなった。」「県内の目標は2万票。これを取らなければJAの評価が下がる・・・」

16:50 組合長、青年部長、女性部長それぞれが推薦状交付。


 それを受けて、山田としお候補予定者が、あいさつ。「農業と農協の代表として、いろいろな方面から注目を集めている。」「戦後最大の農政の転換には現場からは、農業つぶしとして強い批判がでている。」「計画生産をしたから積み上げて、それに対策をする・・・という基本姿勢が確立されていない・・・」「米価が下がれば、担い手が一番苦しくなる。担い手の経営安定対策をいかにつくっていくかが、今後の課題・・・


 それに、財界の農政、「構造改革推進会議」を徹底的に批判、それに追随する「日経新聞」も切り捨てる。内容は「自民党農政批判」しかし、自分がその自民党公認であるということには、ほとんど触れない。


 青年部長の「がんばろう」の掛け声で集会はおわる。 終了、17:23。退場する職員一人一人に出口で握手する。当組合長のえらぶった姿勢とは裏腹に頭が低い。


 候補予定者が言っていることは、我々の主張とさして変わらない。全中の専務をやっただけに、批判の坪は心得ている、といえる。変わるのは、そのような批判があるなら、その大元である自民党からどうして出るのか・・・・。こんな低米価をつくったのは間違いなく自民党農政ではないか・・・・。質問の時間があったら、手を上げようかと思ったが、そこまで心臓は強くない・・・。


 こんなことが、他のJAでも行なわれているのか・・・勤務時間中に、そして「業務命令」でこんなことをやるのは明らかに「コンプライアンス違反」ではないか・・・