<今、職場では・・・異動異聞Ⅱ・・・>

熱帯を思わせるシャボテン群

<今、職場では・・・異動異聞Ⅱ・・・>

 前回に引き続き異動のこと・・・。

 平成11年1月1日がいわゆる「広域合併」の日、それからはや9年たった。職員数は合併当初は300名を数えていた。それが、現在では180名・・・。要するに、合併の歴史は人員削減の歴史、と考えてもおかしくない。


現在も中央会は毎年の県内16JAの総会資料を分析して、「人件費の削減により、何とか黒字を維持している・・・」という評価を下している。まだまだ、人員削減は止む気配はない。



 そして、その人員削減の手法に使われたのが人事異動である。当JAは5JAが合併してできた農協である。であるから、合併前はそれぞれに「企業文化」というものがあって、仕事のノウハウがそれぞれ違っていた。その中で、「夫婦職員」の存在を許すJAが二つあった。


 要するに、職員同士が仲良くなって結婚したという事であるが、通常はどちらかが退職したものであるが、それを「夫婦職員」として認めていたJAがあったということである



 せいぜい50〜60人の職員のなかに数組も夫婦職員がいては仕事がやりやすいわけはない。朝から、晩まで家に帰ってからも顔を見合わせているなんて、本人方もいやだったには違いはない・・・が、「職」ということで考えれば背に腹は代えられない・・・というところじゃなかろうか・・・。



 夫婦が同じ職場にいて悪い、という法律はない。それを拒否すること自体、人権問題である。しかし、田舎の狭い地域では簡単に「人権だから・・・」ということにはならない。


 合併して、最初に目をつけられたのがその「夫婦職員」だった。合併してまもなく、6組の夫婦、正確にいえば夫婦職員のうちの男性職員が個別に経営者に呼ばれた。6人のうち3人は管理職だった。


 その管理職には「降格異動」をにおわせた。直接、「辞めろ」とはさすがに言えない。「管理職は、職員の模範とならなければならない。管理職で夫婦でいるということは仕事にも支障をきたすので、模範にはなりえないので、管理職から外れてもらう・・・」こんな感じで攻められた。



 その三組は、夫婦間でいろいろ相談して最終的には妻が退職した。ある管理職の妻は、相当旦那に抵抗したと聞いた。「あなた一人に給料じゃ、食っていけないのよ」「私だって仕事をしたいんだよ」と・・・・。


結局、3人の「妻職員」は辞表を出したが、その家の一人の「妻職員」は異動の時期まで辞表を提出しなかったため、旦那は管理職からはずされ、LAの辞令を受けることになった。<つづく>