<今、職場では・・・不良債権・・・>

大潟

<今、職場では・・・不良債権・・・>


 NHKの土曜ドラマ「ハゲタカ」というのが流れている。いわゆる、不良債権等や株を安値で買い取って、高く打ってその利ざやを稼ぐ「ファンド」だが、まさに資本の論理と言われる。


 いくら奇麗事を言っても、金融業者は貸した金に利息をつけてそれを返済してもらって、仕事として成立している。貸した金を回収できなければ、いわゆる不良債権として処理しなければならない。その処理する過程の人間模様が描かれているのである。


 情け容赦ない取立てが失敗すれば、逆に金融業者の損失となり、「倒産」ともなりかねない。貸したほうも借りた方も生きるか死ぬかのせめぎあい・・・。


 農協にも不良債権はいっぱいある。金は貸したが返済がない。二年も三年も返済がない場合も珍しくない。そうなれば、担保の処分、連帯保証人からの徴収。それにも応じない場合は差し押さえ・・・と来る。


 しかし、法的処置は手間隙かかるし、かかる経費も少なくない。それに、組合員との感情的な対立、担当者はたまったものではない。

 近年ご存知の通り、「自己破産」が盛んである。もう日常的、といってもいい。独身で何の資産も持っていない人は簡単である。弁護士に20万円着手金として持っていけば、大体は何とかなる。面白いもので、返す金がない人でも自己破産の着手金だけはどっからか工面すると言う。


しかし、資産があって、その名義者が死亡して、相続関係が発生したりすると、これがまた大変である。司法書士、弁護士のお世話にならざるを得ない。

なんで、こんなに不良債権が発生したのか・・・。具体的に言えば、米の値段が下がったことである。10年前、こんな米価になるとは誰が考えたか・・・。農業に投資したが投資した資金を回収できない・・・ということなのだ。中には放漫な農業経営者もおるが、篤農家といわれる専業農家にも結構多い。明らかに農政の失敗である。


この不良債権の回収業が、今度の私の新しい仕事である。抵当権、競売、差し押さえ、仮執行・・・・などなど専門用語で頭は大混乱。
「ハゲタカ」になれるかどうかはわからないが、これも仕事だ・・・。