<今、職場では・・・顧客・・・>

昨年の奥十二湖の紅葉です

<今、職場では・・・顧客・・・>


 Mさんから電話があった。
「あのネー。あなたがLA、終わったのわかっていたけど・・・共済のことで相談があって・・・。暇なとき来てくれる?」

 「ヒマな時なんかないよ〜〜」と返事したいところだったが、Mさんから来てくれ、といわれれば、いやとはいえない。なんと言っても「顧客」なのだから。


 Mさんは53歳。専業農家の奥さん。大規模農家で、後継者もいる。まだ独身なので何とか嫁さんをと私にもお願いしてくる。Mさんとの付き合いはもう20年になる。私が営農指導員をしていた頃、私もお世話したし、お世話にもなった。どんなことでも私を頼りにしてくれる。


辛辣なJA批判をする。私がいやな顔をしないで聴いてくれるのがいいという。農家の声をきちんと受け止めるのも必要な仕事と私は思っている。他の職員は彼女がJA批判をするので、俗に言う「難しい人」というレッテルを張り、まともに聴いてくれないという。

 「旦那が、胃がんになって・・・・」「もう、新しい共済には入れないから・・・・」


 2年前、私がLAのとき、彼女の旦那に終身を進めた。「60歳で払い込み終了になるので、健康なうちにもう一つ入っておいたほうがいいのでは・・・」と。しかし、当時、55歳であった旦那は新規加入となると掛け金が馬鹿にならないので、悩んだあげく見送った経過がある。 そんなことも合って・・・

私、もう2年で終わる養老生命の100−1500万を解約して、2000万円の30年満期に入りたいんだけど・・・・」 びっくりした。53歳でその契約だったら、掛金が馬鹿にならない。年がけで40万は超す・・・。


 「私もこの頃、健康に不安になって・・・」『旦那を見ていたら、私もなんか、癌になりそうで・・・』「それに、入院も2万円にしたいし・・・・


 Mさんには悪いが、思いがけない共済が飛び込んできた・・・と正直思った。私も部下の共済実績を面倒見なければならなかったので、これには助かった、と思った。


 Mさんは、本当に仕事熱心で地元では有名な直売所の役員もやっている。しかし、その年になって誰もがオーバーワークを思う。旦那も働き者で、間違いなく一日12時間は農作業をしている。

 
そんなに働いたら、どっか悪くなるのは当たり前である。しかし、働き癖がついてしまった夫婦は、オーバーワークをセーブしようとはしない。できないのである。何と言ったらいいのか・・・。


 私は掛金の安い定期生命も進めた。しかし、いくらかでも満期が欲しいんだと・・・。83歳の満期である。83になって満期を迎えても自分では使えまい、というと「孫にやるんだ」と・・・。


 そんな話が、次の日、夜8時から10時まで続いた。半分は昔話であった。私もつかれたけど、楽しかった。