<今、職場では・・・棚卸・監査Ⅱ>

昨年の奥十二湖の紅葉です

<今、職場では・・・棚卸・監査Ⅱ



 要するに、棚卸というのは、在庫が金額に換算してどれだけあるか、資産価値を評価するもので、それが適正かどうかを監査するのです。JAの内部監査は監事がやります。ついでに、全国監査機構(旧中央会)も「便乗」という形で参加します。内部監査と外部監査を一緒にやります。


 JAの監事は、「農家のオヤジ」ですからいわば素人です監査機構の職員は一応「資格」を持った職員ですので「プロ」ですが、「監査マニュアル」と首っ引きでチョット若い職員ですと、我々から見れば、素人と同様です。

要するに現場でその仕事をしたことがない職員が、座学だけで覚えた知識で「監査」するのですから・・・。「監査マニュアル」はあくまで原則であってJAごとにそれが様々に「加工」されているのが現状ですから、その「加工内容」を把握するだけで大変です。
 


経済部門というのはJAの中で一番コンピューター化が遅れた部門なので、信用の「ジャステム」や全共連の電算システムのようには行きません。これから、紹介しますが、私に言わせれば「原始的」な方法で棚卸をするのです。

 その前に監査についてですが、JAの監査というのは、JAの監事による内部監査。全国監査機構(旧中央会)それに県の検査(行政の場合は「監査」とは言わない)の三種類があります。それがどのように違うのかというと、法律や定款上で定められているということで、実務上は実質的には同じ、といっても差し支えありません。


 それで、いつだったか、県の検査担当者に聞いたことがあるのですが、「県の検査は、農協法にのっとって適正かの判断。監査機構は総代会資料(決算資料)が適正かの判断」ということだそうです。


 では、JAでのサービス残業等の監査はどこでするのか、と聞いたことがあるのですが、それは「労基署じゃないか」という返答がありました。


現在、県や監査機構は不良債権などは徹底的に監査するものの、結構騒がれているサービス残業」について監査したという話は聞いたことがありません。 


私たちから見れば、「片手落ち」としか言いようがありません。「コンプライアンス」という限りは、どこのJAでも慢性化している「サービス残業」を徹底的に監査して欲しいと思っているのは私だけではないでしょう。



 前述しました「原始的」な作業内容ですが、棚卸表というのがあります。場所ごとにすべてのアイテム(商品)を書き込むのですが、それが、すべて「手書き」なわけです。棚卸表一枚が20アイテムで集計したら、全部で168ページなりました。


 改ざんを許さないにために、原則として数量と単価は訂正がききません。これだけでも、相当な作業です。このアイテムに数量、単価をいれて金額を計算します。すべて手作業です


そして、今までは、これに何の疑問も持たず、この面倒くさい作業をしていたという現実・・・・です。今頃、スーパーやデパートでこんな棚卸をしているところがどこにあるでしょう。これにかかる労力は「コスト」という認識はないのでしょうか。