<今日の農作業・・・最後の草刈・・・>
<今日の農作業・・・最後の草刈・・・>
8月最後の週末。最高気温30度の予想。この中で最後の草刈――。
「来週にしようか・・・」と再三悩んだが、何セ、婆さんがうるさい。
「うちの田圃だけだ、クサ刈っていないのは・・・・」
「恥ずかしくて、近所を歩けねエー――」
朝から、晩まで人の顔を診れば、同じことを繰り返す・・・。たまったもんではない。否が応でも刈らざるを得ない。「自業自得」といえばそれまでだが、この暑さの中、相当の覚悟がいる。
午後3時の夕方から、6時半頃まで刈れば半分は刈れる。夕方だから少しは涼しいだろう・・・。今日半分、明日半分と計画を立てる・・・。
3時の予定で昼寝をゆっくりとしていたが、うるさい婆さんが、「まだ寝てるのか・・・」と2時ごろほえる。
しかたなく、暑い最中、コンチクショウと思いながら、2時半に田圃へ・・・。
まだ暑い、何度ぐらいあるのだろう。
軽トラ荷台の草刈期のエンジンを掛ける。ところがなかなかかからない。買ってから、7〜8年。そろそろ買い換え時期なんだがごまかしながら使っている。であるからにして、なかなかかからない。チョークを全開にしたり閉じたり・・・油量の調整をしたり・・・何とか白い煙を吐かせながら、エンジンはうなった。
肩に背負い、「これから3時間か! 暑さとの闘いだ!!」
ウウウ〜〜〜というエンジン音が周囲に響く。この時間帯、この暑さ、草を刈っているものは誰もいない。
当たり前だ。このくそ暑い最中、誰が草を刈るか・・・・。周囲のあらゆる音は、このエンジン音にかき消され、孤独の中に埋没する。
腰を振りながら、一歩一歩進む。それに比例して汗が滴り落ちる。単純作業は脳内で仕事のこと、家族のこと、子供のこと・・・あらゆる思いを吐き出させる。
腕時計を見る。「まだ30分しか立っていない・・・」疲れたから、立ち止まる。最初の30分が一番きつい。体が慣れないからだろう。汗も一番多い。
凍らした冷たい水を含む。ビールだったら一番いいが、まだ、はじめたばっかしだから、今缶ビールを飲めば、これからがきつくなることはわかりきっている。変な清涼飲料水を飲めば返ってのどが渇く。冷たい水が一番いい。
「さあ〜〜、加速をつけて・・・」と立ち上がる。今度はエンジンも順調。無心で刈り続ける。
「綺麗に刈る」とか、「うまく刈る」という考えは毛頭ない。
ただただ、婆さんに文句をつけられなければよい。
その一心。そして、終わってからのあのビール喉越し、それだけを楽しみにして・・・・。
<八甲田井戸だけを降りてくる途中で、ふと見るとチョット違ったイメージのイワギキョウ。ヒナが大きな口をあけて餌をねだっているように見られました。>