<今日の農作業〜〜航空防除〜〜>

八甲田赤倉岳の瓦礫地のイワブクロです

大型ヘリでの航空防除をどう思いますか


 一時盛んであった、航空防除(以下、「空散」という)が少なくなってきました。いわゆるヘリコプターで空から農薬を散布する、と言うことです。


 それは、近年の消費者の農薬に対する「拒否反応」とまた、生産者側からはその効果と経費的な側面から疑問が提出されて来たのが原因と思われます。 それを検証してみたいと思います。


 まず、生産者側からの側面ですが、その効果です。「空散」の目的は、ほとんど「いもち病」「モンガレ病」と「害虫防除」で、その予防と治療にわたっています


 予防と言うのは読んで字のごとくですが、病虫害が発生しなくても散布するので、その効果というのはわかりづらいのです。また、治療にしても「ヘリ」の都合もあり、散布が計画的にならざるを得なく、「適期散布」が難しい側面もあります。 


 このような状況から、専業農家や大規模農家から遠慮される方向にあるのです。また、有機農業の「特別栽培米」などの関係からも避けられています。


 そこで出てきたのがいわゆるラジコン操作で、機動的な散布ができる「無人ヘリ」です。小型で低空散布なので、また、持ち運びが軽トラに積んで出来るので兼業農家等から重宝がられています。それに、「事故」もありません。


 兼業農家は、土日作業が中心なので病虫害の発生監視が難しく、適期散布というのが困難な事情があるので、予防散布の方が手っ取り早いという感覚があります


 それに、1回の空散散布料が通常散布の薬剤料金とほぼ同じであることから(約3000円強/10a)「無人ヘリ」の要望が多いのです。


無人ヘリ」は業者でやっているところもありますが、多くは地元のJA青年部などの若いグループが「免許」(無人ヘリ操作にも免許が必要)を取得して運行しています。しかし、その無人ヘリも一機、一千万円位するので国の補助事業等を当てにしないと出来ないという欠点もあります。

次に、消費者側からですが、今年の5月から「ポジティブリスト」(残留農薬の規制)が始まって、世界一厳しい農薬規制になっています


 それは、消費者の食料に対する安全安心の姿勢が一貫して貫かれています。ですから、むやみに農薬を使用するという時代ではもうありません。 残留農薬でマスコミを賑わすことは、その産地は崩壊することを意味しています。


 有機農業が「市民権」と取ろうとしている現在、無農薬とか減農薬が「商品」として差別化されてきています。ますます、農薬の使用量は少なくなっていきことでしょう。また、米価が20年前の水準ですので、余計な経費はかけないという方向も定まりつつあります。

現在では、「大型ヘリ」は私たちの近くではほとんど使用されていません。朝の4時半頃から、あのうるさい「騒音」がなくなってほっとしているでしょう。


<写真は八甲田赤倉岳周辺の瓦礫地に咲いたイワブクロです。薄紫色ですが中には白色の花も咲いていました。色が抜けなのか、突然変異か??? それにしても可憐な花です>