<山形県高畠町の有機農業について>

次回に紹介する有機農業のりんご園です

課題と展望(その2)


そのための課題を次に明らかにしたいと思います


 まず、この高畠町有機農業には「営業」という仕事がありません。新聞やマスコミがその宣伝をし、それが「営業」の役割を果たしてきたのです。それは、積極的な有機農業を支持する消費者を増やすことにはなりません。


高いコメを買える中間層の「気まぐれ」に依拠する運動で終わる可能性があります。自分が収穫した農産物に自分で値段をつけるという自立した農民の姿勢を理解し、農業や農村を守っていくという思想を広めることには繋がっていかないと思います。


要するに「自然発生的な意識」から、「目的意識的な意識」を獲得するためには、それらの消費者も組織していかなければならないのではないでしょうか


 そのためには、労働組合でいう「オルガナイザー」の存在が不可欠であると思います。高畠の有機農業についてのパンフレットをつくり、消費者にそれを宣伝して、「近代化農業」が作り出した「罪状」を明らかにし、学習しそして「消費者グループ」として組織する・・・・。


 消費者グループを組織し、大きくすることにより、それが、有機農業の「パイ」を大きなものにし、生産者も増える・・・・、相乗効果がでるんじゃないでしょうか。


いま、「いのちを耕す人々」という高畠町有機農業のドキュメント映画が封切られました。この上映運動もまた、「オルガナイザー」としての役割を果たすでしょう。


 現状では、生産者が一番苦労しているのは、「消費者のわがまま」だと聞きました。いくら、支援していてくれても「曲がったきゅうりはいや!」とか、「パックじゃないと不潔」とか、一回で送る量が多いとか、少ないとか・・・」それにいちいち説明して、議論することの手間ひま・・・。(この議論が本当に大事なのですが)要するに、有機農業の意義、目的などが理解されていないことの表れにほからないのです。 


実際に、援農など実際に現場に来て、その大変さを味わってくれれば、現実を認識できるのですが、確かに毎年1000人くらいの援農者は来ているのですが、消費関係者は5万人10万人ですから・・・。


 問題は、その「オルガナイザー」の役割を農協ができるかということです。その「オルガナイザー」は自らも、有機農業の現場を熟知していて、思想的にも相当の造詣の深い人間でなければ出来ないと思います。


<写真は、次に紹介する、有機農業の「カリスマ」星寛治さんの完全有機のりんご園です。すでに30年になります。>