<山形県高畠町の有機農業について>

3億円かけた、有機農業専用のライスセ

有機農業が町に与えた効果

 この有機農業により、高畠町には様々な「経済的」も含め効果が上がっております。


 第一に、高畠共生塾。毎年1〜3月に数回、各界の著名人を集めて講演会を実施しております。井上ひさし佐高信などから大学教授まで・・・。参加者も毎回100名〜200名に達しております。

その会員は、有機農業者を中心に約100名いて、年会費が1万円です。いまどきいますか?一万円の会費を払って、講演を聴くって・・・。まさに「協同組合運動の理念」そのものです。


また、共生塾主催の、有機農業体験の「まほろば農学校」は北海道から九州まで毎回30名ほど参加しております。また、有機農業の修学旅行や体験学習では年間1000名を超えており、これらの活動が有機農業の思想を広め、かつ、将来の消費者としての結びつきを強めることにつながっています。


 第二に、新規の「定住者」が70戸を超えました。上記の体験農業などから、高畠町を気に入り都会から「移住」してくる人たちが増えていることです。


その人たちは、様々な職業を経験しているので、そのノウハウは高畠町の街づくりに大いに役立っています。 このほかにも、農業後継者問題とか、現在、農業・農村の抱えている問題は山積していますが、「自立した農民の主体的活動」は様々な分野に大きな影響を与えております。



課題と展望 

近年、有機農業という存在が、様々な話題を提供していますが、「有機」そのものが「まがい物」だったり、ラベルだけの「有機」だったり、まら、商品の「差別化」のための有機だったりしています。


 高畠の有機農業は、反近代化の思想の下に「商品としての農産物」を拒否し、本来の農産物の持つ本質を重視し、生産者と消費者の信頼関係の下に成立しております

生産者の再生産費を消費者が保証する、市場流通の3倍近い値段でも、日本のいや、高畠の農業を守るためのコストとしてそれを負担してくれる消費者との関係は、資本主義とは相容れない質を持った運動として評価されなければなりません。


そして、この運動が「点から、面へと」広がりを見せているのです。本来の協同組合運動もこうであらなければならないと私は思います。農協でやらなければならないことを、彼らがやっているんだと・・・。


 日本全国各地には、様々な有能な「有機農業家」が存在します。しかしそれは、まだ、「点」としてしか評価されていません。また、行政の政策として有機農業を推進している市町村もあります。

しかしながら、農民独自の運動として取組み、有機農業専用のライスセンターまで建設し、それを「面」として発展させたところは記憶にありません


 要するに、この運動をもっともっと発展させなければならないということです個人的な頑張りから、組織としての運動に発展させていかなければならないということです

<写真は、有機農業専門のライスセンター『米工房たかはた』です。有機農業専門としては、おそらく日本初でしょう>