<農協問題・・・改革論議(3)・・・>

それとともに、農協とあまり繋がりのない「非農家」についても、県内で農協が貢献している実態をアピールしなければならない。給食への安心安全な農産物の提供や交通安全教室、学校への食育の取り組み。この他にも単協ごとに様々あるはずである。


中央会でも農協の地域貢献ついてまとめてアピールするべきであると思うが、それが十分になされていない。都市部の市民にとっては農協というのは政治とか米価とか、「農業の圧力団体」というのが一般的なイメージじゃないだろうか。食の安全安心についてはもっともっと積極的にアピールするべきである。


添加物が人間の腸内細菌に悪影響しているとか、輸入農産物の農薬問題。昨年「モンサント不都合な真実」という遺伝子組み換えの食物をテーマにした映画の上映会を実施したが、満員で会場に入りきれなかったし、終了後の意見交換では、食についての情報をもっともっと欲しいという意見が圧倒的であった。


今、「野菜ソムリエ」について話題になっているが、本来は農協の営農指導員や生活指導員がそれを担うことができるはずであるし、農を売り込むグリーンツーリズムにももっと取り組む必要がある。そうなれば、農協のイメージが格段と違ってくるだろう。有機農業への取組も後ろ向きだし、道の駅にある「直売所」にも農協は一部を除いてかかわりきれていない。


こういった消費者や非農家のニーズに対して応えきれていない実態があり、これらを平場に出して、批判は批判として率直に受け止める姿勢こそが、県民からの支持を得る最良の対策だと考える。


安倍内閣は「農業は成長産業だ」と口先では言うが、この度の「低米価」をはじめとする農政の失敗を頬かぶりして、その責任を農協に押し付けようとしている。「中央会の解体」といっても、「中央会」自体一般組合員にはなじみはない。そのレベルで議論は肝心の農家組合員にはピンとこないだろう。


中央会が解体されても全農が株式会社化されても直接組合員の生活には影響しない。だからといって、この議論から農家組合員を遠ざけるのは危険である。最後は組合員の支持が農協の存立を左右するからである。



また、農家組合員だけじゃなくて、消費者や非農家も農協改革に参加させることが、県民の支持に繋がるであろうし、地方におけるインフラとしての機能の認知度を高めることにもなる。このような戦略的観点を持って、今こそ、その一歩を踏み出す時期ではないだろうか。

写真は、自宅の裏で採れたザクロです。いまは珍しくなりました。