秋田やまもと農協役員選考顛末記(一)

秋田やまもと農協役員選考顛末記(一)

 それは、ゆめろんのサウナ室から始った。
 「お客さんで畠山勝巳さんっていう方おりませんか?」ゆめろんの従業員があわただしく、サウナ室のドアを開け叫んでいる。
「私ですけど・・・」
「自宅から電話があって、すぐに電話してください」
「エエッ・・・」
 汗も拭かずにサウナ室をでて、更衣室へ。携帯を取り出したら、着信履歴が三つも四つも・・・・。そのメンバーを見たら、もしかしてと直感した。4月18日、19時過ぎの頃である。
 そのうちの一つの着信履歴に返信した。そうしたら、電話口で「やっと来たか、ちょっと変わるからまって」という声。「いま、農協の役員推薦委員会をやっているんだが、あなたが推薦されればそれを受諾するか?」と旧知のL氏の声。どうして彼がそこにいるかはわからないが、もしかしてと思い、落ち着け、と自分に言い聞かせて「推薦されれば受諾します」とはっきり答えた。「その確認だけです」と、電話は切られた。
 これが、ゆめろんのサウナ室まで「捜索」しなければならないことなのか、と思いまた、サウナ室に戻った。今、選考されているのか、それとも決まったから確認のためなのか等々の考えが頭を駆け巡り落ち着かない。
 正直言って、この日で選考されるとは思ってはいな

かった。何人かの候補者を指名して、選考委員の前で「所信表明」等してそれから「投票」かな、と思っていた。私としては私の意見をみんなに聞いてほしかった。そして農協を改革するにはどうしたらいいのかを議論したかった。農協が現状のままでいいと思っている人は誰もいないはずだから・・・・。
 そうしているうちに、風呂からあがって、また携帯を見た。I氏から数回の着歴があった。もしかしてこれは、と思って慌てて返信した。
 「お前が当選したんだよ。お前が」「祝勝会だ。ほんとはお前の家でやらなければならないんだが準備はできていないだろう。だから、俺の家に来い」
 「こんなに簡単に決まるんですか?」 「俺も初めてでわからなかったが、決まってしまった。まずは、祝勝会だ」
 もう8時を越している。酒屋は8時で閉めるし酒は買えない。うちの椎茸を少々と、爺さんの秘蔵の7合瓶を拝借してI
氏宅に向かった。(写真は4/26土落としした直後の育苗です)