きょうの農作業 <田んぼの「カナ」>/「JAバンク」という怪物

田んぼの夕暮れ

今日の農作業
田んぼに「カナ」が浮いてきました

 専業農家でもないのに、毎日農作業があるわけではありません。で、何をアップするかということにも、苦労するはめになっています。ご推察くださいね。(苦労しているんですよ・・・)

 このところの晴天で、稲は順調です。順調すぎて、気持ちが悪い・・・くらいです。ところがデス。あまり晴天過ぎて、田んぼに「カナ」が浮いてきました


「カナ」というのは、晴天により、水面が温められて、それによって水面に植物性プランクトンが大発生して、濁ります。それが層となってしまうのです。


 それが、どうしていけないかというと、私は、今度の日曜日に通称「一発剤」といわれる、除草剤を散布する予定です。その除草剤は、細粒であるため、散布してもそれが「カナ」の層に付着し、土面に落ちないのです。そうすると当然、除草剤による土面の「層」が出来ません。おのずと除草効果も薄れます。


 雨が降った次の日などは、「カナ」が消えます。その合間にうまく散布できればいいんですが・・・。いづれにしても30キロの動噴を背負ってのことですので、田んぼでつまずかないように・・・・


「JAバンク」構想という怪物。


御存知の通り、JAの信用部門は、農林中金をピラミッドの頂点として、金融の再編に組こまれてしまった。そのために自己資本比率を8%だの10%だのとしなければ生きのびては行けない、と決め付け、そのために不良債権の徹底的な償却と貸し渋り行った。


そのために、組合員との債権回収の訴訟も起こり、「ここまでしなくても・・・」と言う声が農家組合員からも出てきた。ようするに、自己資本比率と言うものは、大銀行が金融の国際化と再編の荒波の中で生きのびていくための一つの指標であって、限られた地域及び顧客の中での事業にこのようなものを当てはめること自体おかしいと思う。


また、いくら、自己資本比率がよくても、農協という事業体は組合員から見放されてはその存立自体がきわどくなる。このような性格の違う事業体を画一的なものさしにあてはめること自体おかしいのである


しかしながら、「自己資本比率」によって、「レベル1」「レベル2」「レベル3」JAを格付けするという。「レベル3」では6ヶ月以内に「組織統合」を求めるという。農協の主人公はもはや組合員ではなくなってしまった??


そして、わがJAでは、自己資本比率を高めるために、出資金に定期貯金よりも高い利息の1%の出資配当をするという。これは、「金持ちのためのJA」といわれても仕方ないのではないか・・・。


農協事業の優位性というのはその土着性である。その地域の情報が何処よりも早く入手でき、それをビジネスに活かすことができる。

それとその情報を他の事業に活用できる「総合性」が大企業にない大きなメリットではずである。ところが、今のやり方は、そのような「優位性」を最大限発揮して事業展開するのではなく、大企業と対等に「競争」するというスタンスである。


肥料農薬等の農業資材は確かに安ければ安いほど農家にとってはよいが、食品の安全性が盛んに問題になっている現在、その使用方法の指導や履歴の調査などは大企業がやれるはずはない。


農産物の販売でも、今時代が「地産地消」や「スローフード」に傾き、販売チャンネルが多様化し、消費者ニーズが「少量多品目」に傾いている現状では、それを大企業がやれるはずはない。このような農家がやれないことを農協がリードして、勝ち得た信頼の上の事業展開が本来のあり方でないかとおもう。