<農協問題・・・・農協改革(1)・・・>
 先日、秋田市で「農村問題研究会」が開催された。大学教員や農協労、農民組合の人たちで構成された勉強会である。私は加入してはいないが、何回か参加したことがある。今回のテーマが「農協改革と農協の歩むべき道」であったから勇んで参加した。中央会の参事の鈴木氏と前弘前大学教授の神田健策氏の話と県立大学の長濱教授を座長にした総合討論である。


 私が注目したのは、農協改革について各自がどのようにとらえているかである。中央会の参事は当然として降りかかってきた「火の子を如何にして振り払うか」という視点で忌憚のない意見を聞きたいというスタンス。神田教授はこの6月の規制改革会議の答申、いわゆる「農協解体」案の背景等を資料等で説明した。はっきり言って物足りなかった。


 なぜ、物足りなかったのか・・・私も規制改革会議の答申については8000字程度論文をまとめて雑誌に掲載してある。後日このブログにもアップしようかと思っているが、規制改革会議答申の批判はそんなに難しいことではない。今までの農協攻撃をちょっときつくしたものだからである。


 私は討論の中で会場から「今の農協を否定するものではないが、現場の農民は今の農協の必要性は認めている。しかし、今のままの農協でよいと思っているのかは一人もいない」と発言した。これには参事も同じ思いがあるようでうなずきながら「いろんな意見を聞いて改革に生かさなければならない」と回答した。それで私は「今までの改革は、ブラックボックスでの自己満足的な改革で看板の書体を変えただけであって、中身、現場は何ら変わっていない。今回は本気で変わらなければならない。そして県民から支持される農協にならなければならない」と提言した。


 農家組合員の中でも農協を支えているのはおおよそ3割といわれている。残りは農協の必要性は認めても農協には無関心か、批判的である。特に専業農家は農協支持派と批判派が極端に分かれているという。私も農協退職して全県の専業農家と交流する機会があるが、こだわって農業をやっている人ほど、農協への批判は強い。では、批判的な人が農協に対して意見を言うかといえば、ほとんど、「言っても変わらないから」「言うだけ無駄」と我関せずのスタンスである。